棺を護りしもの

「へっくし!」

「大丈夫でありますか?ミラアルク。」

迎えに来たヘリにノゾミ達が乗り込んでいくなか、遠目からその様子を見ていた黒髪の少女、ミラアルクに対し、隣で一緒に様子を見ていたピンクの髪に犬の耳のようなものが付いた少女はそう尋ねる。

「あぁ、まぁな……」

「それにしてもなかなか壮絶な戦いでありましたねぇ……」

「つうかよ、人数多くね?連中の情報はなしだと『SONG』の装者は六人だった筈だぜ?どう見ても三人多いぜ…」

「確かに……新しく入ったばかりの新人でありましょうか……?」

(ピンポンパンポーン♪どう?そっちは順調かしら?)

ノゾミとセッテ、雪那の三人を見ながら、ミラアルクとピンク髪の少女、エルザが首を傾げながらそう言うなか、二人の頭の中にそう尋ねる女性の『声』が聞こえてくる。

「『棺』の浮上と撃破を確認したところだぜ。」

(あら?ミラアルクちゃんとエルザちゃんの二人で止めたの?)

「あたしらじゃなくて、『SONG』がな。」

(まぁ……)

「でも、『中身』は無事らしいぜ。」

(そう……それなら良かったわ……)

「しかし、局長は本当にあんなものを……『棺』の復活を阻止して、この『地球このほし』の支配者になろうとしたのでありますか……?」

(今となってはわからないわ……少なくとも、私達・・の目的は局長とは違う……)





ブロロロ……ッ!!

「『『棺』の破壊』じゃなくてその活用・・だもの……」

キキィッ!!

南極から離れた地にて、崖の上からミラアルクとエルザと“念話”で言葉を交わしながらスポーツカーで駆けていた黒髪に褐色肌の女性、ヴァネッサはそう言いながら車を停車させる。

ガッ!!

「そう……これは『未来』を奪還するための戦い………だから、なんとしてでも果たさなければならないわ………」

次の瞬間、ヴァネッサは助手席側のドアに左足を乗せるように身を乗りだしながら、崖下に見える街を見下ろしながらそう言った。





南極・・・

「………」

「どうした?エルザ。」

「いえ、ただ……あの黒髪の装者とピンクの髪の装者……なんだかヴァネッサと同じ感じがするであります……」

一方の南極では、首を傾げながらそう尋ねるミラアルクに対し、エルザはヘリに乗り込もうとするノゾミとエルザを見ながらそう答えた。
18/20ページ
スキ