棺を護りしもの

「!?障壁が消えた!マリアさん!!」

「えぇ!このまま突っ込む!!」

ズガアアアァァァンッ!!

「「はあああぁぁぁーーーっ!!」」

ズガアアアァァァンッ!!

ズバアアアァァァンッ×2!!

「今が好機……追撃いくぞ!ノゾミ!!」

「はいっ!!」

スィン博士の『貫通プログラム』を付与したフルバーストで障壁が消滅したことによって響とマリアの『デュオ・スクリュー・ブレイカー』、切歌と調の『禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN』、『蒼ノ一閃』と『蒼ノ緋那汰』が『棺』に命中していくなか、翼とノゾミはそう言いながら突っ込む。

「「ハッ!!」」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

次の瞬間、翼は大量の剣を具現化し、ノゾミは大量の桔梗の花弁のようなエネルギー刃を生成して放った。

『千ノ落涙』

『千ノ涙花』

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!

「あたしからもプレゼントだ!受け取れ!デカブツ!!」

ズドドオオオォォォンッ!!

翼の『千ノ落涙』とノゾミの『千ノ涙花』が命中するなか、クリスもそう言いながらギアから生成した大型ミサイル2基を放つ。

『MEGA DETH FUGA』

ズガガアアアァァァンッ!!

「セッテさん!私達も!!」

「うん!!」

クリスの『MEGA DETH FUGA』も命中するなか、そう言いながら飛び上がる雪那にそう返事しながら、飛び上がりながらセッテはミョルニルを放り投げながら大型バズーカの形状に変化させる。

「ハッ!!」

「ッ!!」

パキキキ……バチチチチチッ!!

続けて、雪那がトリアイナを放り投げ、セッテと一緒に魔力をトリアイナに集束させ、トリアイナを中心に巨大な氷槍を形成し、雷を纏わせる。

その後、二人は氷槍トリアイナバズーカミョルニルに装填しながら、バズーカの後ろに移動し、拳を構える。

「「せぇーのぉっ!!!」」

ズドオオオォォォーーーンッ!!

次の瞬間、二人は息を合わせながら拳を突きだし、バズーカミョルニルに装填した氷槍トリアイナを超電磁砲の要領で加速させながら発射する。

『エレキアイシクル・ブラスター』

ズガアアアァァァンッ!!

「おぉっ!!」

「やったか!?」

「というかここまでやってダメージが通ってなかったら、それこそお手上げね……」

「だな。」

セッテと雪那の合わせ技である『エレキアイシクル・ブラスター』も命中し煙が舞うなか、響、翼、マリア、クリスの四人はそう言う。

サァァァ……

「あっ!ヒビが所々入ってるデス!!」

「私達の攻撃が効いたんだ……」

そんななか、煙が晴れて見えてきた、至る所にヒビが入った『棺』を見て、切歌と調はそう声を上げる。

パァァァ……パシッ!!

「しかし、まだ動きだしそうな感じがあります……」

「でも、もう少し叩けば……!!」

「うん……!!」

投影のようにトリアイナを手元に呼び戻しながら雪那がそう言うなか、ノゾミとセッテはそう言いながら生太刀とミョルニルを構える。

翼やマリア達も同じ考えなのか、各々アームドギアを構える。

カァァァ………

そんななか、『棺』が赤く発光し始める。

「あ、あれ?」

「なんか赤く光ってる……?」

「まさか……定番な爆発オチデスか!?」

「皆!すぐに離脱して!!『棺』を中心に衝撃波が発生するわ!!」

赤く発光し始めた『棺』を見て響、ノゾミ、切歌の三人がそう言うなか、上空から本部の梨紗博士からの『ZERO-SYSTEM』の予測結果を聞いていたスィン博士がそう警告してくる。

「スィン博士!?」

「どういうこと!?」

「説明は後!急いで!!」

カアアアアア……ッ!!

『棺』の赤い輝きが強まっていく。

「マズい……総員、直ちに『棺』から距離を取れっ!!」

「あっ……!?」

その輝きを見て、そう言う翼の指示に従って一同が動き出すなか、踏み込み加減を誤ったノゾミは足を雪に取られ転倒してしまう。

「!?ノゾミ!!」

「ノゾミさん!!」

それに気付いたセッテと雪那はそう言いながら、ノゾミを助け起こそうと向かう。

ズガアアアァァァンッ!!

が、それよりも早く『棺』から衝撃波が発生する。

「ッ!!」

(間に合わない!!)

迫りくる『棺』からの衝撃波を回避できないと感じたノゾミはせめて『左側』は護ろうと生身の右側の方を『棺』の方に向け、魔力とNSを纏って衝撃波に備えようと瞳を閉じる。

「………?」

が、一向にこない衝撃と痛みに首を傾げながら、ノゾミは閉じた瞳を開ける。

「え……?」

「………」

すると、いつの間にか一匹の黒い狼がノゾミを背中に乗せ、空を駆ることで衝撃波から回避していた。

「ノゾミ!!」

「無事で良かったデス!!」

「でも、あの狼は一体………?」

「!?」

「………」

セッテ、切歌、調の三人がそう言うなか、ノゾミは僅かに逃げ遅れたことで衝撃波を受け、意識を失いながら墜ちていくスィン博士に気付く。

「……お母さん……っ!!」

「………」

小さく呟いたノゾミの声に反応した狼は空を蹴り、スィン博士の方へと向かう。

「お母さんっ!!」

次の瞬間、ノゾミは気を失っているスィン博士の手を掴んで引き寄せ、自分の背中に乗せた。
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