棺を護りしもの

洞穴前・・・

「マリア達……遅い………」

「デス………」

「ッ……くそ………っ!!」

遺跡の入り口である洞穴前で待機しているヘリ内にて調、切歌、クリスの三人は真剣な表情でそう言いながら洞穴を注視する。

「……クリス先輩………」

「やっぱり、あたし達が救援にっ!?」

「「!?」」

パァァァ………

そんななか、ヘリの近くにノゾミのミッドチルダ式の魔法陣が展開され、調査隊の遺体が転移されてくる。

数瞬遅れて、ノゾミ達も離れた場所に転移してくる。

「先輩!?」

「「マリア!?」」

「雪音!暁!月読!」

「調査隊の遺体をヘリに乗せて!急いで!!」

ノゾミの魔法で無事に転移して脱出した後、翼とマリアがそう三人に指示をするなか、氷で覆われた古代遺跡の上部から、左右から機械の腕のようなものを、上部からは顔のようなものを出現させた『棺』がスゥーっと浮上してくる。

「まさか、『棺』そのものが守護者だったとは………」

ゴゴゴゴゴ………ッ!!

雪那がそう言いながら見上げるなか、『棺』は静かに動き出す。

「動き出した!?」

「マズい!!」

「「ッ!!」」

ズドオオオォォォンッ!!

バチチチチチチチィィィンッ!!

動き出した『棺』を見て響とスィン博士がそう言うなか、雪那は激流を、セッテは雷を『棺』に向けて放つ。

パァァァ・・・

ズガアアアァァァンッ!!

が、『棺』の手前で“障壁”のようなものが展開され、防がれる。

「くっ!!」

「“障壁”………っ!?」

「ノゾミ!」

「はいっ!!」

ドンッ×2!!

防がれたことにセッテと雪那がそう言うなか、翼とノゾミは脚に付けられているスラスターやブースターで『棺』の頭上付近まで飛び上がる。

「「はあああぁぁぁーーーっ!!」」

次の瞬間、二人は天羽々斬と生太刀で『棺』の頭部に斬りかかる。

パァァァ・・・

ガキィィィンッ!!

が、先程と同じように“障壁”が二人の刃を防ぐ。

「くっ!!」

「物理攻撃も防ぐか……!!」

ゴォッ!!

「「!?」」

防がれたことにノゾミと翼がそう言うなか、『棺』は右腕を振り上げて二人を叩き落とそうとする。

「「くっ!!」」

「ッ………」

『棺』の反撃を二人が紙一重で回避するなか、今度はスィン博士が向かっていく。

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

そんなスィン博士に対し、『棺』はエネルギー弾の弾幕を展開し、放ってくる。

「ッ……はぁっ!!」

ズドオオオォォォンッ!!

対するスィン博士は『棺』の弾幕の雨を掻い潜りながら、カウンターに超電磁砲を放つ。

パァァァ………

ズガアアアァァァンッ!!

が、先程と同様、“障壁”が展開され、スィン博士の超電磁砲も防いだ。

「ッ……カウンターも通行止めって訳ね………」
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