棺を護りしもの

響とマリアがガングニールとアガートラームを纏うなか、セッテと雪那も自身の持つシンフォギアを身に纏う。

高い位置から滑空する、帯電した白銀の鳥がセッテの上空を通る。
すると彼女へと雷が落ちる。
強く帯電し痺れる体を無理矢理動かすように、腕を振るう。
残った雷は溶けるように姿を、色を変えていく。
脚の付け根までとなり、臍と肩甲骨には微かに雷が這うと菱形の穴が空いて肌を見せ、袖がないノースリーブの桃色のインナースーツとなる。
腕を組むように二の腕から肘上までを両手で撫でると、まるで袖のようにそこだけがインナースーツに覆われた。
膝下から爪先まで黄金の機械的な武装が組み立てられていく。
帯電はしていないが、先ほどの鳥が後頭部にぶつかるように飛んできたかと思えば変形し、鳥の羽を思わせるヘッドギアとなって両耳を覆う。
首元に巻きつくように雷が走ると弾け、白銀の翼を連想させるマフラーが巻かれた。
新たに雷が落ちた場所にあるミョルニルを両手持ち上げ、構えた。

水の中に閉じ込められ、雪那の口から空気が零れる。
音を立てて凍っていき、そのまま終わった……ように見えた瞬間。氷の中心に亀裂が入り、それが大きくなっていくと割れた中から濡れた雪那が出てくる。
彼女を濡らしていた水分が集まると腕は二の腕半ばまで、脚は膝丈までの蒼いインナースーツへと変わっていく。
インナースーツが凍り、自らが叩いて割ると体の側面と胸に残り、白銀のラインに変化した。
腕に水が集まると凝縮し、インナースーツのような肘上までの蒼いグローブに変わる。
腕は手首から肘まで、脚は太ももの側面に虹色を帯びた白銀の機械的な武装が組み立てられ、装着される。
膝から爪先までを水に漬けると、深い蒼のブーツに覆われた。
真ん中に赤い宝石が埋め込まれた金の花の髪飾りは見た目はそのままに、ヘッドギアと化する。
水の中から現れたトリアイナを自分の前で両手で回してから、片手で持ち直して構えた。

これにより、セッテはシンフォギア『ミョルニル』を、雪那はシンフォギア『トリアイナ』を身に纏った。
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