棺を護りしもの
古代遺跡内・・・
「うわぁ……思ってたより暗いですねぇ……」
「今は灯りがあるから幾分かマシだけど……はぐれないように注意しましょう。」
(どう?ノゾミ………)
(うん……間違いない。この道、この壁画、古代文字……夢で視たのと一緒だよ………)
古代遺跡内の暗さに響とマリアがそう言うなか、念話でそう尋ねるセッテに対し、ノゾミは念話でそう答える。
(ッ………となると、この先に……!!)
(大丈夫ですか?ノゾミさん……)
対するセッテが内心顔をしかめながら念話でそう言うなか、雪那は念話でそう尋ねる。
(大丈夫………覚悟はしてきているから………)
対するノゾミは念話でそう答える。
が、『ハルシオン世界』での経験からくる、暗闇に対するトラウマも相まってその身体は多少なりとも震えていた。
((ノゾミ(さん)………))
「……ノゾミ、って言ったわね。あなた。」
「!?は、はい!」
「本当に大丈夫?なんか震えているみたいだけど………」
そんなノゾミの姿にセッテと雪那が何ともいえない気持ちになるなか、スィン博士がそう指摘しながら話しかけてくる。
「あっ………」
(そんなつもり、なかったのに………)
「大丈夫?ノゾミちゃん。」
「ふむ。見たところ、戦場 での緊張という訳ではなさそうだな………」
指摘されたノゾミがそう思いながら少し動揺するなか、響と翼はそう話しかけてくる。
「………ごめんなさい。私、前に崖でプレスされて生き埋めにされたことがあって………」
「崖でプレス!?」
「よく生きてたわね………」
「生き埋めか………此処でもあり得ない話じゃないな。念のため、遺跡の状態にも注意するとしよう。」
対するノゾミからの告白に響とマリアがそう言うなか、翼は冷静にそう言う。
「ッ………」
「……やはり怖いか?」
そんななか、未だに震えてしまっているノゾミに翼はそう尋ねる。
「確かにまだ怖いけど………もう『怖い』を言い訳にして逃げたくはないんです……!!」
「ノゾミ………」
「ノゾミさん………」
「そうか………だが、時には逃げることが正解の時がある。それを見誤らないようにな。」
対するノゾミからの答えに翼は優しい笑顔でそう忠告する。
「!?逃げる方が正解………」
「そうだ。どうしても敵わない相手と相対した時、人は本能的に恐怖を感じる。勝算があれば良いが、突然の会敵だったりした場合は無理せず撤退するべきだ。」
「どうしても敵わない相手………ッ………」
その時、ノゾミの脳裏にかつて、『ハルシオン世界』で巻き込まれた『ジニア動乱』の黒幕であり、敵でありながら若輩者である自分達に大事なことを教えようともしていた仮面ライダーシュヴァルツことジニア・ロックディールの顔が過 る。
(そうだ………あの時、ジニアも言っていたように冷静に撤退していれば………セッテは………!!)
「痛………っ!?」ズキッ!!
『ハルシオン世界』でジニアと初めて遭った時、冷静さを欠き、撤退せずに蛮勇とも言える戦いを挑んだ結果、親友であり、今は『大切な人』であるセッテに瀕死の重傷を負わせた時のことを思い出した瞬間、生身と機械の境目から痛みが走ったノゾミは胸を抑える。
(左が痛い………!あの時の傷が、痛む………けど………!!)
「!ノゾミ……ッ!?」
「!?」
「………」
結果的に自身の左半身を失うことになった『ジニア動乱』のことを思い起こしながら険しい表情を浮かべるノゾミに対し、スィン博士が時折、飲んでいた携帯ボトルをノゾミの眼前に突きだす。
「宜しければどうぞ。」
「え?でも、これ………」
「薬とかそんなんじゃないから安心して……飲めば少しは気がはぐれるわ。」
「あ、ありがとう、ございます………」
そうしてノゾミはスィン博士から携帯ボトルを受け取り、中身の飲み物を口にする。
「!?酢っぱぁぁぁ~~っ!!?」
『!?』
が、次の瞬間、ノゾミはすぐさまそう叫びながら悶絶した。
「うわぁ……思ってたより暗いですねぇ……」
「今は灯りがあるから幾分かマシだけど……はぐれないように注意しましょう。」
(どう?ノゾミ………)
(うん……間違いない。この道、この壁画、古代文字……夢で視たのと一緒だよ………)
古代遺跡内の暗さに響とマリアがそう言うなか、念話でそう尋ねるセッテに対し、ノゾミは念話でそう答える。
(ッ………となると、この先に……!!)
(大丈夫ですか?ノゾミさん……)
対するセッテが内心顔をしかめながら念話でそう言うなか、雪那は念話でそう尋ねる。
(大丈夫………覚悟はしてきているから………)
対するノゾミは念話でそう答える。
が、『ハルシオン世界』での経験からくる、暗闇に対するトラウマも相まってその身体は多少なりとも震えていた。
((ノゾミ(さん)………))
「……ノゾミ、って言ったわね。あなた。」
「!?は、はい!」
「本当に大丈夫?なんか震えているみたいだけど………」
そんなノゾミの姿にセッテと雪那が何ともいえない気持ちになるなか、スィン博士がそう指摘しながら話しかけてくる。
「あっ………」
(そんなつもり、なかったのに………)
「大丈夫?ノゾミちゃん。」
「ふむ。見たところ、
指摘されたノゾミがそう思いながら少し動揺するなか、響と翼はそう話しかけてくる。
「………ごめんなさい。私、前に崖でプレスされて生き埋めにされたことがあって………」
「崖でプレス!?」
「よく生きてたわね………」
「生き埋めか………此処でもあり得ない話じゃないな。念のため、遺跡の状態にも注意するとしよう。」
対するノゾミからの告白に響とマリアがそう言うなか、翼は冷静にそう言う。
「ッ………」
「……やはり怖いか?」
そんななか、未だに震えてしまっているノゾミに翼はそう尋ねる。
「確かにまだ怖いけど………もう『怖い』を言い訳にして逃げたくはないんです……!!」
「ノゾミ………」
「ノゾミさん………」
「そうか………だが、時には逃げることが正解の時がある。それを見誤らないようにな。」
対するノゾミからの答えに翼は優しい笑顔でそう忠告する。
「!?逃げる方が正解………」
「そうだ。どうしても敵わない相手と相対した時、人は本能的に恐怖を感じる。勝算があれば良いが、突然の会敵だったりした場合は無理せず撤退するべきだ。」
「どうしても敵わない相手………ッ………」
その時、ノゾミの脳裏にかつて、『ハルシオン世界』で巻き込まれた『ジニア動乱』の黒幕であり、敵でありながら若輩者である自分達に大事なことを教えようともしていた仮面ライダーシュヴァルツことジニア・ロックディールの顔が
(そうだ………あの時、ジニアも言っていたように冷静に撤退していれば………セッテは………!!)
「痛………っ!?」ズキッ!!
『ハルシオン世界』でジニアと初めて遭った時、冷静さを欠き、撤退せずに蛮勇とも言える戦いを挑んだ結果、親友であり、今は『大切な人』であるセッテに瀕死の重傷を負わせた時のことを思い出した瞬間、生身と機械の境目から痛みが走ったノゾミは胸を抑える。
(左が痛い………!あの時の傷が、痛む………けど………!!)
「!ノゾミ……ッ!?」
「!?」
「………」
結果的に自身の左半身を失うことになった『ジニア動乱』のことを思い起こしながら険しい表情を浮かべるノゾミに対し、スィン博士が時折、飲んでいた携帯ボトルをノゾミの眼前に突きだす。
「宜しければどうぞ。」
「え?でも、これ………」
「薬とかそんなんじゃないから安心して……飲めば少しは気がはぐれるわ。」
「あ、ありがとう、ございます………」
そうしてノゾミはスィン博士から携帯ボトルを受け取り、中身の飲み物を口にする。
「!?酢っぱぁぁぁ~~っ!!?」
『!?』
が、次の瞬間、ノゾミはすぐさまそう叫びながら悶絶した。