補習と歯車と夢と・・・
第三者Side
「ハッ!?」
深夜、とある座敷の暗い寝室にて、白髪の老人が目を覚ます。
「くっ……」
(今になって彼奴 の夢を見ようとはな……)
「如何 なさいましたか?我が主……」
そう思いながら上半身を起き上がらせる老人に対し、いつの間にか側にいた黒ローブの人物が片膝を着きながらそう尋ねる。
「魘 されていたようでございましたが……何か不具合でも?」
フードを目深に被ったその人物は老人の右腕と繋がっている輸血セットを見ながら、続け様にそう尋ねる。
「問題はない。少々、昔の夢を見ただけだ。」
「左様でございますか……念のため、後で輸血セットに問題はないかチェックをさせましょう。我が主に万が一があれば、一大事ですので………」
「……それを言いに来たのか?」
「報告が二つ程、ございます。」
「聞こう。」
「まず、『ノーブルレッド』が無事に『歯車』を回収致しました。少々派手にやったようですが……」
「そうか……」
「もう一つは『SONG』が動き出しました。」
「ほぅ………」
「想定よりも早いようですが……どうやら国連南極支部のスィン博士と梨紗博士から応援要請を受けたようでございます。」
「……『吉田』の娘か……」
黒ローブからの報告に、老人は眉間に皺 を寄せながらそう反応する。
「如何なさいますか?」
「ふんっ、知れたこと……『吉田』の娘が動こうが、『SONG 』が動こうが関係あるまい……お主は引き続き、『計画』を進めよ……よいな?」
「はい……仰 せのままに……我が主………」
冷静に指示を出す老人に対し、黒ローブは深々と頭を下げながらそう言った。
「ハッ!?」
深夜、とある座敷の暗い寝室にて、白髪の老人が目を覚ます。
「くっ……」
(今になって
「
そう思いながら上半身を起き上がらせる老人に対し、いつの間にか側にいた黒ローブの人物が片膝を着きながらそう尋ねる。
「
フードを目深に被ったその人物は老人の右腕と繋がっている輸血セットを見ながら、続け様にそう尋ねる。
「問題はない。少々、昔の夢を見ただけだ。」
「左様でございますか……念のため、後で輸血セットに問題はないかチェックをさせましょう。我が主に万が一があれば、一大事ですので………」
「……それを言いに来たのか?」
「報告が二つ程、ございます。」
「聞こう。」
「まず、『ノーブルレッド』が無事に『歯車』を回収致しました。少々派手にやったようですが……」
「そうか……」
「もう一つは『SONG』が動き出しました。」
「ほぅ………」
「想定よりも早いようですが……どうやら国連南極支部のスィン博士と梨紗博士から応援要請を受けたようでございます。」
「……『吉田』の娘か……」
黒ローブからの報告に、老人は眉間に
「如何なさいますか?」
「ふんっ、知れたこと……『吉田』の娘が動こうが、『
「はい……
冷静に指示を出す老人に対し、黒ローブは深々と頭を下げながらそう言った。