補習と歯車と夢と・・・

「あぁ、彼処あそこでは君達四人が来る前に起きた事件で回収した自動人形オートスコアラーの残骸と、その自動人形の『核』として使われていた『アンティキティラの歯車』の解析が行われていたんだ。」

「?アンティキティラの歯車というのは?」

「「「?」」」

対する風鳴司令が口にした『アンティキティラの歯車』という単語に対し、雪那は首を傾げ、ノゾミとセッテ、ポッピーの三人も同じように首を傾げる。

「アンティキティラの歯車は自動人形、ティキの動力源に利用された聖遺物の一種でこれを組み込まれることでティキは天体観測に特化した機能を発揮する。」

そんな四人に風鳴司令がそう答えた瞬間、モニターに『アンティキティラの歯車』とティキの姿が映し出される。

「どちらも破損して今は使い物になりませんが、ティキは惑星ほしの動きを観測し、そこから様々な現象を割り出す機能を持っていました。」

「これらを解析することで前の事件まで暗躍していた錬金術師達の組織、『パヴァリア光明結社』………強いてはそのトップであるアダム・ヴァイスハウプトの目的を探ろうとしたの。」

「先程の爆発事故はそういった機密情報が保管されていた最深奥に触れたがためのセーフティーによるものと考えられます。」

「?爆発が起きた場所の近くには人はいなかったのですよね?」

「えぇ、職員・・は、ですが……」

「それって『何者かに侵入された』可能性が高い……ということかしら?」

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」

真剣な表情でそう尋ねる梨紗博士の言葉にノゾミや響達九人の装者と未来とポッピーに戦慄が走る。

「……その通りです。」

「鎮火後の現場の検証を任せていた班からの報告では、『アンティキティラの歯車』が消えていたそうだ。爆発で焼失したか、或いは……」

「……爆発の直前、歯車から回収できた最後の情報データがこれです。」

「!?これって南極!?」

「しかも、スィン博士と梨紗博士が観測した遺跡と全く同じ地点だ。」

緒川がそう言いながらモニターに映し出した座標に困惑の声を上げるマリアに対し、風鳴司令は真剣な表情でそう言う。

「……偶然にしては出来すぎね……」

「しかも、『パヴァリア光明結社』の残党が何らかのアクションをしようとしているという情報が諜報部から上がっています。」

「それじゃあまさか、今日起きた爆発は……」

「その残党の仕業……っ!!」

緒川から上がってきたその情報に、ノゾミとセッテは険しい表情を浮かべながらそう言う。

「状況から考えて、南極の遺跡で残党達が何かを仕掛けてくる可能性がある……皆には悪いが予定を繰り上げて明日、南極に向かう。各自、準備を急いでくれ。」

「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」

真剣な表情でそう言う風鳴司令に対し、九人の装者とポッピーは真剣な表情でそう言った。
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