「ーーーってことがあったんだけど………」

「………雪那。今の話って………」

「えぇ。先程、この世界のスィンさんが話していた内容とも一致します………恐らくノゾミさんは『過去』を視たのではないかと………」

ノゾミから夢のことを聞かされた後、そう言うセッテに対し、雪那は真剣な表情でそう言う。

「？『過去』を？」

「はい。この世界のスィンさんが語った、『この世界の一翔さんの死』という事実に強いショックを受けたノゾミさんのNSがその時の具体的な状況を視せたのだと思います。」

首を傾げながらそう言うノゾミに雪那がそう推測を述べるなか、

ヴィーッ！！ヴィーッ！！

「俺だ、司令だが大丈夫か？」

ブザーと共に扉の向こうからそう尋ねる風鳴司令の声が聞こえてきた。

「あ。風鳴司令………」

「はい。大丈夫です。」

シュンッ！！

「失礼する。エルフナイン君から目を覚ましたと聞いてきたのだがノゾミ君、気分はどうだい？」

セッテから許可を貰って入った後、風鳴司令はそう尋ねる。

「はい。大丈夫です………ご心配をお掛けしました………」

「いや、大丈夫だ。まだこちらの世界に迷い込んで慣れていないところで元の世界では親しくしていた者の死を聞かされたからな……君が倒れるのも無理はない………」

「ッ！？」

「ごめん、ノゾミ。詳しくは言ってないけど、ちょっとだけ話したの。」

風鳴司令の言葉に驚愕の表情を浮かべるノゾミに対し、セッテは若干申し訳なさそうにそう説明する。

「そうなの………」

「それとこれは俺の勘だが……君にとってはスィン博士と一翔隊長の二人は単なる親しい者（・・・・）…ではないのだろう？」

「「「「！？」」」」

そんななか、そう切り出す風鳴司令に対し、ノゾミ達四人は驚愕の表情を浮かべる。

「………話してくれないか？君にとって二人はどういう存在（・・・・・・）だったかを………」

(((ノゾミ(さん)………)))

風鳴司令が真剣な表情でそう尋ねるなか、ノゾミ以外の三人はそう思いながらノゾミを見る。

「ッ……二人は………私の……『大切な人達』です………」

対するノゾミはそう言いながら、『ウェズぺリア（元の世界）』では自分はスィン博士と一翔隊長の間に生まれた『娘』であることを告白した。