行き着く先は・・・

(雪那。カストディアンって確か・・・)

(はい。響さん達の世界における『創造主』の名前です。)

「うっ・・・」

「!?大丈夫ですか!?」

「今、気持ちを落ち着かせる温かいものを・・・」

前の世界でフェイトやマリアから『アヌンナキカストディアン』のことについて、聞いて知っていたセッテと雪那が念話で密かにそう話すなか、口元を押さえるスィン博士にエルフナインは慌ててそう声をかけ、友里はそう言いながら飲み物を用意しようとする。

「いえ・・・大丈夫です・・・」

対するスィン博士はそう言いながら白衣の下から携帯ボトルを取り出し、中に淹れている飲み物を蓋兼カップに注ぎ、それを飲む。

「ふぅ・・・」

「大丈夫?スィン。あれだったら後は私が・・・」

「大丈夫よ。梨紗……話を続けましょう。」

「ッ……わかったわ……資料を纏めた結果、その遺跡調査で何らかの異常事態が起き、大勢の方が亡くなったのが判明しました。表向きには旧観測基地は大寒波で壊滅したとされていましたが、実際はこの遺跡調査が壊滅の原因だったんです。」

「そのことを知った私達はすぐさま司令部に戻り、調査隊と連絡を取りました。ですが、その時には既に調査隊は遺跡内に突入しており、私は直ちに帰投命令を出しました。夫はすぐさま部隊に撤退を宣言し、遺跡内から離脱しようとしましたが………その直後に隊員達の悲鳴が幾つも重なり………夫の言葉を最後に通信は途絶えました………」

「バイタルデータを確認してみたら、全員の生命活動が停止していました………」

ボトルの中身を飲んで落ち着いた後、スィン博士と梨紗博士は真剣な表情でそう事の次第を説明した。
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