行き着く先は・・・

「私達、南極支部はそのエネルギー源の正体を調べるため、私と梨紗は旧観測基地に関する資料を探し、私の夫である中村一翔は数人の部下を率いて現地に向かいました。」

モニターが切り替わった後、スィン博士は真剣な表情で話し始める。

「過去の資料を幾つか探し、吉田家のとあるシステムを用いて世界中から調べてみたところ、ある事実が判明しました。梨紗。」

「旧南極観測基地は表向きは南極大陸の観測が目的とされていましたが実態は観測基地付近にあるアヌンナキ・・・『SONGここ』では『カストディアン』と呼ばれている、先史文明期より古い時代に『人類』を創造したとされる者達が遺したと思われる古代遺跡の観測・調査をするための前線基地だったんです。そして、その古代遺跡の位置が今回、観測された高エネルギー反応と同じ地点でした。」

「!?カストディアンだと!?」

「「「「「「!?」」」」」」

梨紗博士が口にした『アヌンナキカストディアン』という単語に風鳴司令がそう驚愕の声を上げるなか、ノゾミ達四人を除く響達六人の装者の脳裏にはかつて、『『神の力』の創造』を巡る激闘の末に撃破した、錬金術師で結成された秘密結社、『パヴァリア光明結社』の局長にして遥か昔にカストディアンに創造された『原初のアダム』、アダム・ヴァイスハウプトのことがよぎった。
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