装者達の日常と災厄の予兆

「よぉ♪翼ぁ~。」

翼が提示した『ある条件』をマリアが了承した直後、何処からともなく燐がそう話しかけながら現れる。

「!かな……で……」

「?どうしての?つば……さ……」

そんな燐(奏)が見せる、この世界こっちに来てから今までで一番良い笑顔に翼とマリアはそう言いながら固まる。

「「………」」

が、二人は一旦燐を視線から外し、二度見する。

「?どうした?二人とも。」

「い、いや……」

「なんでもないわ。」

「ふぅーん……まぁいいや……それはそうと見てくれ翼、チケット入手できたぞ!」

二人の様子に首を傾げながらも、燐は再び良い笑顔でそう言いながら一般用チケットを取り出す。

「!?それってもしかして……」

「三日後の凱旋ライブの?」

「あぁ!前にマリアからライブのことを聞いて、大急ぎで応募した甲斐があったぜ!!」

首を傾げながらそう尋ねる二人に対し、燐はニカッと笑いながらそう答える。

(しかし、今さっき、あんな話があった直後に現れるなんて……)

「?どうした?マリア。」

「……もしかして、狙ってやってる?」

「何が?」

少し真剣な表情でそう尋ねるマリアに対し、燐は首を傾げながらそう聞き返す。

「いえ。わからないならそれで良いわ……」

「?」

「しかし、今回のライブは奏も観に来てくれるということか……」

「まぁな……「あたし」がいなくなってからも、歌い続けてくれてたなら……そりゃ、行こうと思うだろ。」

そんななか、改めてそう言う翼に対し、燐(奏)はそう言いながら向き直る。

「あと、ついでに「俺」としてはライブ行ったことないから行きたかったし……」

「奏……」

「翼……三日後、楽しみにしてるぜ。」

「……あぁ!任せて!!」

「フフ……じゃあな!!」

そうして燐はその場を後にする。

「……彼女に心配をかけない為にも、頑張るしかないわね。翼。」

「あぁ。だが、先程話した『条件』の話、忘れないでほしいのだが……」

「うっ……わかったわよ……」
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