異なりし“力”

「………で?一応言いたいことがあるなら聞いてやるが?」

それから十五分後、一先ず軽い手当てを受けさせたり、シャワーを浴びさせたりしたセッテと雪那を訓練場で正座させた燐は仁王立ちしながらそう言う。

「え、え~とですね……ついお互いに熱が入っちゃったと言いますか……」

「つい元の世界の感覚で昂ってしまいました……」

対する二人は流石にヤバいとはわかっているのか、目線を泳がせながらそう言う。

「スゥ~………アホかおまえらぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

次の瞬間、『SONG』の本拠点である潜水艦全体が揺れるかのような燐の怒号が響き渡る。

「ここはお前らの世界じゃないんだぞ、ちゃんと分かってるか?特に雪那、お前だ、ここは魔法世界じゃない。」

「っ……」

「俺とノゾミが魔法で防いだから無事だったが、本来は魔法がないんだから使うにも必要最低限である必要があるんだ。しかもここは潜水艦だ、穴が開いて水没したらどうする?いくらトリアイナと言えど、海水全部操れるわけねえだろ。」

「……はい……」

「穴が開かなかったとしても、この訓練所は自動で修復されないんだぞ。時間かかるだろうから「自動修復」の効果を一時的に俺が与えておくけど、本来はお前らに修復をやらせるか考えるべき案件だからな?」

「「……はい……」」

「一人例外がいるとはいえ、装者じゃない人間もいたり、装者達だってシンフォギアを纏っていない以上は一般人と変わらん。彼女達が怪我したらどう責任取るつもりだ?」

「返す言葉もございません……」

「本当に申し訳ございません……」

真っ当な正論でそう言う燐からの説教を受け、セッテと雪那はその場で土下座しながらそう言う。

「あはは……」

「凄い迫力……」

「デェース……」

「流石は翼のかつての相方、天羽奏の生まれ変わりね……」

そんな三人の様子に響が苦笑いを浮かべ、調と切歌がそう言うなか、マリアは真剣な表情でそう言う。

「ノゾミちゃん達の世界じゃあんな感じなの?」

「そう、ですね……基本、私の家にある訓練場で模擬戦をするんですが、元々そこはお父さんの友人でセッテの養母でもある黒原彩夏さんが設計したもので自動修復機能がありましたから遠慮する必要がないのもあって……」

「おまけに元の世界での模擬戦じゃ魔法やら仮面ライダーやらが加わるから、結果的に激しくなっちゃうんだよねぇ……」

そんななか、そう尋ねる未来に対し、ノゾミとポッピーの二人はバツが悪そうにしながらそう説明する。

「環境を考えやがれってんだ、全く……」

「常にフルパワーで戦える訳では無いものね。」

「技術力の差か………これは少し厄介だな……」

そんな二人の説明を聞いてクリスとマリアが呆れ混じりにそう言うなか、風鳴司令は真剣な表情でそう言う。

「……ところで、奏の言う『例外』というのは誰のことなんだろうな……?」

「「「「「「「「………」」」」」」」」

そんななか、割と真面目な表情でそう言う風鳴司令に対し、ノゾミや響達は何とも言えない表情で目を反らすことしかできなかったのだった。
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