異なりし“力”

「うわっ!?周りが見えなくなっちゃった!?」

「これもトリアイナの“力”なの……!!?」

「ッ……」

濃さが増した霧に響とマリアがそう困惑の声を上げるなか、セッテはその見えにくさに顔をしかめる。

「ッ!!」

そんななか、背後に雪那の気配を感じたセッテは振り向き様にミョルニルを振るう。

が、雪那にミョルニルが当たったかと思えば、捉えた筈のその姿が煙のように消える。

「!?」

「セッテさんもご存知のように私のトリアイナの特性は『水操作』。それは空気中の水分も含み温度も自由自在………だから、こういったこと・・・・・・・も出来るんですよ……」

霧の中からそう言う雪那の声が響くなか、トリアイナの『水操作』を応用し、光の屈折で生み出した四人の雪那の幻がセッテを取り囲む。

『蜃気楼』

「!?雪那ちゃんが四人に増えた!?」

「分身かしら……?」

パキキキ……ッ!!

「!?」

響とマリアがそう言うなか、セッテは自分の身体に霜が付き始めていることに気付く。

(あまり霧の中にいるのは良くなさそうね……)

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズガアアアァァァンッ!!

セッテがそう思いながら雷を纏わせたミョルニルで地面を殴った瞬間、セッテを中心に地割れが起き、雷が噴き出す。

その瞬間、セッテの身体に付いた霜が吹き飛ぶと同時に霧と『蜃気楼』で生み出された幻による雪那の分身が噴き出した雷によって吹き飛ばされる。

『GAIA CRACK THUNDER』

「うわっ!?」

「!?訓練場の床が……っ!?」

「………」

「流石ですね。ですが……少し遅かったようですね……」

「!?」

響とマリアがそう困惑の声を上げるなか、セッテの後方の高い位置からそう言う雪那の声が聞こえた瞬間、上空には無数の“氷の槍”が滞空し、セッテに狙いを定めている。

『氷槍雨』

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォォォンッ!!

「くっ……マグネットパワーオン!!」

バチチチチチィィィンッ!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!

無数の“氷の槍”が向かってくるなか、セッテは自身のマグネットパワーとミョルニルの雷を組み合わせた電磁フィールドを展開し、防いでいく。

「!?凄いデス!バリアを展開したデス!!」

「?マリアのシールドみたいなもの?いや、それでも違うような……」

「………」

バチバチ……ッ!!

切歌と調がそう言うなか、セッテは電磁フィールドで雪那の『氷槍雨』を防ぎながらミョルニルに雷を溜めていく。

「……はぁっ!!」

バチチチチチチチチチチチチチチチチイイイィィィーーーンッ!!

次の瞬間、セッテが掲げたミョルニルから更に強力な雷が広範囲に渡って拡散されるように放たれる。

『THUNDERBOLT LAUNCHER』

「ッ!ノゾミッ!!」

「はいっ!!」

パァァァ……

セッテが繰り出した『THUNDERBOLT LAUNCHER』を見て、燐とノゾミはすぐさま響達の前に出て“障壁”を展開する。

「凄い!これって魔法のバリア!?」

「本当にファンタジーの世界から来たんだね。」

「ありがとう。お陰で彼女の攻撃に巻き込まれずに済みそうだわ。」

二人が展開した“障壁”を見て響と未来がそう言うなか、マリアはそう礼を述べる。

「いえいえ……」

「ところで翼は今日はどうしたんだ?」

「あ。そういえば、緒川さんも今日は見てないですね。」

そんなマリアに対し、燐とノゾミは首を傾げながらそう尋ねる。

「実は近いうちに凱旋ライブが控えててね。二人はその打ち合わせやらリハーサルやらで忙しいのよ。」

「なるほど……」

「……凱旋ライブ……か……」

「?燐さん?」

「どうかしたかしら?」

「いや、何も……ちょっと気になっただけだ……」

「「「「「「「?」」」」」」」

(絶対にチケット手に入れる……抽選当ててやる………!)

「やりますね。セッテさん……ですが!」

「っ!?」

燐が密かにそう決意しているなか、セッテの『THUNDERBOLT LAUNCHER』によって多少はぼろぼろになっている雪那はそう言いながら肉簿し、トリアイナで突きを放つ。

「くっ!!」

ガキィンッ!!

対するセッテは咄嗟にミョルニルで雪那のトリアイナを弾いて見せる。

ドッカアアアアアンッ!!

直後、二人を中心に訓練場全体が大爆発を起こした。

砕けた水の世界ブロークン・アクエリアス
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