帰ってきた“永遠”の“皇帝”

「な、なんだ!?その姿は!!?」

「エターナルではないだと!?」

「……綺麗……」

「ぷーっ?」

ダブルエンペラーに変身した克己を見てRナスカドーパントとウェザードーパントがそう困惑の声を上げるなか、『皇帝』の名に相応しいその美しさにセレナは思わず見惚れながらそう呟く。

この世界に迷いこむ元凶である悪魔ソロモンが変身する凶戦士仮面ライダーインヴェイド……

見る者の背筋を凍りつかせる程冷たく、禍々しいその姿と人間ヒトを塵一つ残さずに消し去る圧倒的な“力”を目の当たりにして以来、セレナは『仮面ライダー』に対して『恐怖』しか抱けなかった……

だけど今、目の前にいる仮面ライダーダブルエンペラーからは悪魔インヴェイドのような恐怖と冷たさは全く感じない。それどころか……

「……温かい……」

「!?」

(『温かい』か……随分と久しぶりに聞いたな……)

「さぁ、」

バサァッ!!

「『地獄』を乗り越えた“力”……存分に楽しみな……!!」

セレナが思わず呟いたその一言に克己はそう思いながら、マントを翻しながらそう言う。

「地獄……」

「くっ……ほざけ!穢らわしい亡霊がっ!!」

「止せっ!Rナスカ!!」

克己の言った『地獄』という単語にセレナがそう反応するなか、Rナスカドーパントは相方のウェザードーパントの制止を振り切りながら高速機動で克己の回りを動き回る。

「!?」

(速い……!?)

「地獄へ還れ!大道克己!!」

そのスピードにセレナが目を見張りながら不安そうな表情を浮かべるなか、Rナスカドーパントはそう言いながらスピードを上乗せしたパンチを繰り出そうとする。

「遅いな……」

「「!?」」

「!?なにっ!?」

が、克己はそう言いながらまるで見えているかのように身体を横にずらすことでかわし、

「フッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐはぁっ!?」

カウンターでRナスカドーパントに蹴りを食らわせ、食らったRナスカドーパントは無様な姿を晒しながら数回と転がっていく。

「たくっ……人の周りをブンブンと五月蝿く飛び回りやがって……」

「くっ!!」

そう言いながら悠然と歩み寄る克己に対し、Rナスカドーパントは立ち上がりながら右ストレートを繰り出そうとする。

「フッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐはっ!?」

が、克己はそれをかわしながら逆に左ストレートを食らわせる。

「くっ!!」

Rナスカドーパントは今度は右足で蹴りを繰り出そうとする。

「フッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐはっ!?」

が、克己は軽く屈むことでかわし、その体制から素早いスピードで左足でRナスカドーパントの顔面を蹴り上げ、

「ラァッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐはぁっ!!」

そのまま流れるように右アッパーを食らわせる。

「くっ……おのれ……」

『ユニコーン!!』

肉弾戦で圧倒されたRナスカドーパントがふらつくなか、克己はT2ユニコーンメモリを起動させ、右腰のマシキマムスロットに挿入する。

『ユニコーン!マキシマムドライブ!!』

シュウウウ……ッ!!

すると次の瞬間、克己の右拳に金色がかった紅のエネルギーがドリル状に纏われる。

「くっ……だが、その技は直接叩き込まなければ意味はない!!」

『Xショッカー』として得た、エターナルやT2ガイアメモリに関する情報から“ユニコーンヘルブレイク”の特性を理解していたRナスカドーパントはそう言いながら高速移動し、最初にセレナに向けて放った破壊光弾を放とうとする。

「悪いが、こいつはもう『過去』のもんとは一味違う……」

対する克己はそう言いながら、二本のエンペラーメモリによって超強化された複眼の視力で高速機動で動き回るRナスカドーパントを捉え、

「はぁっ!!」

右拳を突き出す。

ズギャギャギャギャギャギャギャアアアァァァンッ!!

「ぐはぁっ!!?」

すると次の瞬間、右拳に纏われていたエネルギーがドリル状に回転しながら放たれ、Rナスカドーパントに命中する。

「バ、バカな……」ドサッ!!

ドッカァァァンッ!!

進化した“ユニコーンヘルブレイク”を食らったRナスカドーパントはそう言いながら、倒れながら爆発し消滅した。
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