甦る破壊の力

「エボルトさん……一体何処へ……?」

「ぷーっ♪」

「!?エボルトさん?」

エボルトを追って飛び出してしまったセレナはエボルトが抜けた後の兎を見つける。

「なんかちょっと違う気がするけど……見つかって良かった……」

「ぷーっ♪」

ズドォォォンッ!!

「!?」

セレナがそう言いながら兎を抱き上げた瞬間、何処からか光球が放たれてくる。

ズガァァァンッ!!

「きゃあああぁぁぁっ!?」

ドサッ!!

その光球による爆発からセレナは兎を護るものの爆風で吹き飛ばされる。

「………」

「見つけましたよ……『匣』を持ちし娘………」

次の瞬間、光球を放ったRナスカドーパントと共にウェザードーパントがそう言いながら現れる。

「!?あっ……あっ……」

目の前に現れた二体の怪人にセレナは思わずへたりこむ。

そんなセレナに対し、Rナスカドーパントがナスカブレードで斬りかかってくる。

「ッ!!」

対するセレナは兎を抱き締めながら目を閉じる。

ガキィィィンッ!!

が、痛みや衝撃ではない、金属同士がぶつかり合う音が聞こえてくる。

「……?」

「たくっ……漸く修行から帰ってこれたと思ったら戦場のど真ん中とはな……まっ、らしいといえばらしいか……」

不思議に思ったセレナが恐る恐る目を開けると、青いメッシュの入った茶髪に赤いラインが入った黒いジャケットを着た男がそう言いながら、先端に青い石が嵌め込まれた白いナイフでRナスカドーパントのナスカブレードを受け止めていた。
13/13ページ
スキ