甦る破壊の力

「「「グルルル……ッ!!」」」

「うっ……くっ……」

ドサッ!!

アルビュスに腹を射抜かれたフランは血を流しながら倒れ込む。

「「フラン!!」」

「余所見している暇はねぇだろォッ!!」

「貴女達の相手は私達……でしょ?」

ズドォォォンッ!!

その様子を見てそう言うツキトとアキに対し、ジンガとアミリはそう言いながら、魔戒剣で斬りかかってきたり、法力の『弾丸』を放ってくる。

「「くっ!!」」

ガキィィィンッ!!

ズドォォォンッ!!

「グルルル……ッ!!」ガシッ!!

「うっ……」

ツキトがデスサイズでジンガの魔戒剣を受け止め、アキは『弾丸』をかわしながら炎弾を放つなか、ルテウスがフランの頭を掴み上げる。

「うぅ………」

フランが呻き声を上げるなか、ルテウスは近くにある街路樹に向かって歩き始める。

「はあああぁぁぁっ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

が、次の瞬間、人化したエボルトが身体強化した状態でルテウスに飛び蹴りを食らわせる。

「グオオオォォォーーーッ!?」

飛び蹴りを食らったルテウスはフランを放り投げながら吹き飛ばされる。

「ッ!!」パシッ!!

エボルトはフランを受け止めながら、すぐさまジャガーロード達から距離を取る。

「くっ……」

(もう限界か……)

シュウウウ……

が、直後、エボルトの姿が人型から元の兎に戻ってしまう。

「ッ……」

(マズいな。傷口が深い上に出血も酷い……)

「うっ……エボル、ト……?」

その後、傷の具合を見てそう思いながら苦い表情をするエボルトに対し、フランは途切れそうな意識でそう言う。

「フラン……」

(今の俺の細胞は少ないが……仕方ない………)

「……悪い、フラン。おまえの身体、少しだけ借りるぞ。」

シュウウウ……

エボルトがそう言った瞬間、エボルトから赤い粒子がフランに流れ込んでいく。

「「グオオオォォォーーーッ!!」」

そんななか、二体のジャガーロードが襲いかかってくる。

ヴゥンッ!!

「「!?」」

ガガァァァンッ!!

が、フランと兎の姿が消え、ルテウスの爪とトリスティスの『貪欲の槍』が空を切る。

「随分と狂暴な猫ちゃん達だな……狂暴過ぎて可愛いげが無さすぎる………」

「「「!?」」」

次の瞬間、ジャガーロード達の背後に兎を抱えた状態で瞬間移動していたフランはそう言う。

先程、ジャガーロード達に負わされた筈の致命傷が綺麗に無くなった上にその声色と口調はエボルトのものが混ざり、赤い瞳もいつも以上に強く発光していた。
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