甦る破壊の力

「そうだったのか……」

「シュガーの作ったプリンの味が昔、そのマムって人のために作ったプリンと……」

「それでつい懐かしくなってしまって……ごめんなさい。折角シュガーさんが作ってくれたのに………」

「………」スッ

未だに涙を流しながらそう言うセレナに対し、エボルトが然り気無くハンカチを渡す。

「ありがとうございます……」

「セレナ……また皆でプリン作ろうな。」

そうお礼を言いながらハンカチを受け取るセレナに対し、魔理沙は頭を撫でながら優しい笑顔でそう言い、霊夢達も微笑みかける。

「!……はい………っ!!」

そんな皆の笑顔に温もりを感じながら、受け取ったハンカチで涙を拭いながらセレナも笑顔でそう言う。

「!?皆!伏せて!!」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

ズガァァァンッ!!

そんななか、何かに気付いた霊夢が札を取り出しながらそう言った瞬間、衝撃が店全体に伝わる。

が、霊夢が咄嗟に取り出した札を介して展開した結界によって店に傷が付くことはなかった。

「危なかった……」

「ナイスだぜ、霊夢。」

「ですが、ここを攻撃されたということは」

「どうやらここに『匣』を持ったガキがいるみたいだなぁ……」

「!?」

「この声は……」

外から聞こえてきた、聞き覚えのある声にセレナが再び震え出すなか、霊夢は苦い表情でそう言いながら、魔理沙達と共に窓から外を覗き込む。

店の前にはソロモンと共にFISを襲撃したジンガ&アミリと白いジャガーロード、プテラノドンヤミーがいて、周りは彼らに率いられたノイズに囲まれていた。

「!?お店の周りを大量のノイズが!?」

「霊夢。もしかして、あいつらは……」

「えぇ。『Xマジンラー』の幹部のジンガとアミリよ……」

フランがそう困惑の声を上げるなか、真剣な表情でそう言う魔理沙に対し、霊夢は苦い表情でそう言う。

「よりによって幹部二人か……マズいな………」

「えぇ。ただの怪人なら私達で対処しきれるけど……」

「大量のノイズに『Xマジンラー』の幹部二人……」

「幹部の二人は私とツキトでなんとか対応はできるけど………」

「ノイズをどうするか………」

「ッ………」ギュッ!!

大量のノイズやジンガ&アミリのことについて、魔理沙と霊夢、フラン、アキ、ツキトの五人がそう話をするなか、セレナは胸のアガートラームのペンダントを握り締める。

(戦わなきゃ………でも、私なんかが勝てるのかな………)

「……ノイズの相手は私が引き受けるよ。」

「!?ルーミア!?」

セレナが葛藤しているなか、真剣な表情でそう名乗りを上げるルーミアにシュガーは思わずそう声を上げる。

「大丈夫。今の私にはこれがあるから……」

対するルーミアはそう言いながら、首もとの襟に隠されていたシンフォギアのペンダントを見せながらそう言う。

「「「「「!?」」」」」

「ルーミアさんも……シンフォギア装者……!?」

「ルーミア……いつの間に!?」

「この間の合宿の後、検査のためにリサの所に行ってた時に手渡された。元々は私の中の『闇』を抑えるためのものだけど、こういった事態に対応できるように訓練もしているから大丈夫。」

「……本当に大丈夫か?かなりの数がいるぜ?」

ルーミアの首にかけられているペンダントを見てツキトや霊夢達が驚愕の表情を浮かべ、セレナが目を丸くしながらそう言うなか、そう尋ねるシュガーにそう説明するルーミアに対し、魔理沙は真剣な表情でそう尋ねる。

「蹴散らす……なんてことはできないけど、応援が来るまでの間、持ち堪えることはできるよ。」

「!?」

(マリア姉さん……)

「そうか……だったらノイズの相手はルーミア、幹部二人の相手はアキとツキトに任せる。霊夢は結界の維持、レイラとシュガーは霊夢とセレナの護りに徹しててくれ。」

「「「了解!!」」」

「OK!!」

「わかったわ。」

「任せろだじぇ!魔理沙先生!!」

「フラン。私らは二体の怪人の相手、倒したらアキとツキトの援護に回るぞ。」

「わかりました、魔理沙さん。」

真剣な表情でそう答えるルーミアの後ろ姿にセレナがマリアと重ねるなか、魔理沙はそう指示を出し、ルーミア達はそう返事をする。

「それじゃあ、行くぞ!!」

そうして八人は動き出した。
3/13ページ
スキ