甦る破壊の力

『ささめゆき』・・・

ドォォォンッ!ドォォォンッ!!

「音……鳴り止まないわね………」

「寧ろ大きくなっているように感じるぜ。きっとマリア達が敵と戦い始めたんだ。」

「今回の襲撃者は先程、セレナさんが話してくれた、ポーチの中にある『サマエルの匣』を狙った『Xショッカー』かソロモンの主導で動いている『Xマジンラー』なんでしょうか……」

「う~ん……『メガリバース事件』や『絶対能力闇レベル6ダーク事件』のことも考えると、ソロモンをパイプ役に二つの組織が組んでるのかもね……」

屋外から聞こえてくる爆発音や戦闘音を聞きながら霊夢と魔理沙がそう話をするなか、そう呟くフランに対し、ツキトは顎に手を当てながらそう言う。

「♪」スリスリ

「……エボルト……あんた、随分とその子のことを気に入ったみたいだけど、あんたなら何かしら分かるんじゃないの?」

そんななか、自身が淹れたコーヒーを難なく飲めたフランに甘えまくっているエボルトに対し、レイラはジト目で見ながらそう尋ねる。

「んん~?俺は『Xショッカー』も『Xマジンラー』もどっちも知らんし、興味もないが……今、この国中に何かしらの『悪意』が満ちているのは間違いないなぁ………」

「そう……」

「しかし、この兎の中身が宇宙人とはねぇ……」

「しかも数多の星を滅ぼしてきたとか想像できないぜ。」

対するエボルトがほのぼのとしながらそう答えるなか、霊夢と魔理沙はそう言いながらエボルトを見つめる。

「まっ、ヒトは見かけによらないってことさ。」チラッ

「………」

対するエボルトはそう言いながら横目でセレナを見る。

セレナはマリア達が出ていってからずっとポーチを大事そうに抱えながら震えている。

「大丈夫?セレナちゃん。」

「は、はい……大丈夫です………」

「全然大丈夫そうには見えないんだぜ。」

そう尋ねるアキにそう答えるセレナを見ながら、魔理沙がそう言うなか、

「……セレナって言ったっけ?甘いもので何か好きなものある?」

シュガーが唐突にそう尋ねる。

「え?好きな甘いもの……ですか?」

「そっ、何が好き?」

「えっと……プリンが好き……ですが……」

「お!気が合うね。私もプリンが好きだよ。」

「はぁ……」

「じゃあ、ちょっと作ってくるから待ってて。」

「「え!?」」

「……なんだよ?二人してその反応は……」

「いや、だって……」

「シュガーって料理できるの?」

「失礼な。私だって人並みに料理くらいできるじぇ。」

「あぁ、ツキトとアキは知らないだろうが、シュガーの料理の腕はプロ並みだぞ。ただ、普段は面倒だからって理由でやらないだけで……」

シュガーが料理できることに思わずそう声を上げる二人に対し、シュガーと魔理沙はそう説明する。

「「なるほど………」」

「とにかく!こういう時は甘いものでも食べて気分を変えるのが一番!!ちょっと厨房を借りて作ってくるじぇ~♪」

「ってシュガー!!今はそんな暢気のんきなことをしている場合じゃ」

「まあ良いじゃないか。フラン。」

「ルーミアさん……」

「確かに外は緊迫した状態が続いてるけど、ギチギチに固まり過ぎると疲れて後々に響く……だったら甘いものを食べて、少しでもリフレッシュした方がいざという時、落ち着いて対処できるんじゃないかな。」

そう言いながら厨房に行こうとするシュガーに注意しようとするフランに対し、ルーミアは笑顔でそう諭す。

「そうだな……それに糖分は脳に良いっていうし……」

「何時敵が来ても良いようにお腹は満たしとかないとね♪」

そんなルーミアに続くように魔理沙と霊夢もそう言う。

(え?霊夢さん、さっき、カレーの大盛りを食べてなかった?)

「……そうですね。でしたら私もプリンを作りましょうかね。」

「それだけはやめてくれ!!」

「あんたが作ったプリンを食べたら、敵が襲ってくる前に全滅してまう!!」

そんな霊夢の言葉にレイラが密かにそう思っているなか、そう言いながら厨房に入ろうとするフランに対し、魔理沙と霊夢はそう言いながら必死になって止める。

「え?」

「?シュガーは上手いのに逆にフランは下手なの?」

「あぁ、私は食べたことないけどこの前、フランが作った鍋を食べて魔理沙と霊夢、妖夢の三人は入院したって話をシュガーから聞いたなぁ……」

そんな二人の様子にセレナが呆けた声を上げるなか、そう尋ねるアキに対し、ルーミアは苦笑いしながらそう答えた。
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