凶鳥 再び

「あ、あの人達は……」

「あの美味しいカレーの喫茶店の人達デス!?」

「「………」」

アイススマッシュを轢いたマシンビルダー二台に乗っていたのが戦兎と龍我だと気付いた響と切歌がそう声を上げるなか、二人は静かにマシンビルダーから降りる。

「!?き、貴様らは……!?」

「最悪だ……なんて日のなんてタイミングで事を起こしてくれたんだ。スマッシュ………」

「てめぇっ!俺達が月音に八つ裂きにされたらどう責任取ってくれるんだ!?」

自分を轢いたのが戦兎と龍我だと気付いたアイススマッシュが動揺するなか、戦兎は俯いたまま、龍我は憤慨しながらそう言う。

「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」

「!?ま、まさか、ディリンクまでこの世界にいるのか!?」

キュイイイッ!ボォッ!!

「おわっ!?」

「デス!?」

アイススマッシュがまたしても動揺するなか、青い小さな龍型の機械デバイス、クローズドラゴンが飛んできて、響と切歌の足元に小さな火球を放つ。

それによって二人の足に凍りついていた氷も溶ける。

「あ!」

「氷が溶けたデス!」

「スバル。貴女、クローズドラゴンを呼んだの?」

「うぅん。呼んでないよ、ティア。」

響、切歌、ティアナ、スバルの四人がそう言うなか、クローズドラゴンは龍我の元に飛んでいく。

「あ!あのドラゴンさん、店員さんの方に飛んでくデス!」

「さぁ、万丈……実験を始めようか。」カシャカシャッ!!カチッ!カチッ!

切歌がそう言うなか、戦兎はそう言いながら取り出した赤と青の二本のフルボトル…ラビットフルボトルとタンクフルボトルをおもむろに振り、蓋を回す。

「あぁ……負ける気がしねぇ……!」カシャカシャッ!!カチッ!

『ウェイクアップ!!』

対する龍我もそう言いながら取り出した蒼いフルボトル…ドラゴンフルボトルを徐に振って蓋を回してからクローズドラゴンに装填、ガジェットモードに変える。

『ラビット!』

『タンク!』

『ベストマッチ!!』

『クローズドラゴン!!』

その後、二人は既に装着していたビルドドライバーにフルボトルやクローズドラゴンを装填する。

(兎と戦車がベストマッチ……?)

戦兎のビルドドライバーから流れてきた音声に響、未来、クリス、切歌、調の五人がそう思いながら首を傾げるなか、二人はドライバーのレバーを回し始める。

すると、二人の前後にスナップライドビルダーが展開され、戦兎の方にはラビットハーフボディとタンクハーフボディが、龍我の方にはドラゴンハーフボディが形成されていく。

「なんか出た!?」

『『Are you ready?』』

「「変身!!」」

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!!』

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!!』

『『Yeah!!』』

パキィィィンッ×2!!

次の瞬間、戦兎と龍我はビルド・ラビットタンクフォームとクローズに変身した。

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

「!?仮面ライダー……!?」

「フッ!!」

「ラァッ!!」

変身した二人を見て、マリアがそう困惑の声を上げるなか、戦兎と龍我はアイススマッシュに向かっていった。
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