神の毒

廊下・・・

(さっきのナカムラの様子……少し心配だが、あの金髪の女の人の通信機から聞こえた内容が本当だとしたら………!!)

どさくさに紛れて教室から出た月音はそう思いながら、リサが通信機越しに言っていたグラウンドに向かって駆けていた。

(念のために戦兎さん達にも救援にきてもらえるよう、りゅーきを店に向かわせたけど……本当に怪人が出たんなら倒さないと………!!)

「……!?」

「………」

そんななか、廊下の奥から大量の人型ノイズとオタマジャクシ型ノイズが月音の前に立ち塞がる。

「何だこいつら!?色合い的にバグスターっぽいけど……どう見ても違う…!」

シュルルルルルッ!ズドドドドドォォォンッ!!

自分が『これまで戦ってきた怪人達』とは明らかに違うノイズにそう困惑の声を上げる月音に対し、数体のノイズが自らの身体を紐か槍のような形状に変化させて特攻を仕掛けてくる。

「ッ!?」

ズガガガガガァァァンッ!!

対する月音はバックステップでかわしながらノイズ達から距離を取る。

「もしかして、これがこの世界の怪人?よくわからないけど………!!」ガチャンッ!!

月音はそう言いながらWからビルドまでの白いライダークレストが刻まれ、中央には翠の石が嵌め込まれた黒いディケイドライバー…『ディリンクドライバー』を取り出し、装着する。

続けて色が反転したライドブッカーからイエローに青い複眼、胸に描かれた十字架の色が反転した、一見ディケイドに似た仮面ライダーが描かれたライドカードを取り出す。

「変身!!」

『カメンライド ディリンク!!』

パァァァ………

月音がそう言いながら展開したバックルにライドカードをセットして閉じた瞬間、幾つものライダークレストと幻影が月音に重なる。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、月音はイエローの戦士、『世界を繋げる者』、仮面ライダーディリンクに変身する。

「情報にない敵だから、慎重に行くしかないな………っ」

変身した後、月音はそう言いながら、ソードモードにしたライドブッカーを構えながらノイズの群れへと向かっていった。
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