神の毒

時を遡り、『ウェズペリア』、アトラン王国・・・

「すいません。はやてさん、和也さん。お買い物に付き合ってもらっただけでなくお昼までご馳走になっちゃって……」

「気にせんでえぇよ。私もデュオ君に贈るバレンタインチョコの材料買いたかったし。」

「俺はちょっと気分転換したかっただけだったからな。」

時を遡って『ウェズペリア』、アトラン王国での昼過ぎの街中、買い物袋をぶら下げながらそうお礼を言うみゆきに対し、はやてと和也はそう言う。

「それじゃあ、早いとこ屋敷に帰って私はデュオ君に、みゆきちゃんはマコト君に贈るチョコ作りをしよっか♪」

「はい♪」

「申し訳ありませんが、貴女達にはまだ帰ってもらう訳にはいきません。」

「「「!?」」」

ズシイイイィィィンッ!!

そんななか、そう言う男の声と共に強力な重力負荷が三人にかけられ、三人は両手両膝を着く。

「うっ……身体が………っ!?」

「これは………!」

「重力系の能力による攻撃……ってぇことは………!!」

バチチチチチチチチチィィィンッ!!

「「「!?」」」

そんななか、今度は黒い雷が三人に襲いかかってくる。

「くっ……『転送』!!」

パァァァ……パキィィィンッ!!

和也がそう言った瞬間、和也の頭上に和也が元の世界で製作した、『CW-AEC00X フォートレス』が転送され、展開される。

「よしっ!レイ!!」

『はい!!』

「『セットアップ!!』」

パキィィィンッ!!

ガシッ×2!ドンッ!!

バチチチチチチチチチィィィンッ!!

その瞬間、自身に掛けられていた重力が消えた和也はそう言いながら、立ち上がりながらバリアジャケットを展開。

続けてはやてとみゆきを抱えながら靴に付いているブースターで加速し、重力と黒雷の範囲外へと脱出する。

「ふぅ……」

(少し前に一翔の『拒絶』やリサ達のNSを参考にAEC兵装に『干渉系に対する拒絶』機能を組み込んでみてよかったぜ……)

「助かったで、和也さん。」

「ありがとうございます!」

重力と黒雷の合わせ技による襲撃を無事に回避した後、そう思いながら息を吐く和也に対し、はやてとみゆきはそうお礼を言う。

「どういたしまして……」

『皆さん!!』

ズオオオォォォーーーッ!!

『………』

対する和也がそう返すなか、ノイズの大群が何処からともなく現れ、三人を取り囲む。

「な、なんですか!?これ………!!?」

「はやて……こいつらは確か………」

「はい。前に翼さんやマリアさんが話してくれた、『人間だけを殺す』兵器……ノイズや………!!」

初めて遭遇するノイズにみゆきが困惑するなか、そう言う和也に対し、はやては真剣な表情でそう言った。
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