杯の少女

「「「おわっ!?」」」

「なんだ!?」

「爆発……っ!?」

「うわああぁぁぁーっ!?」

「きゃあああああーーっ!?」

突然の爆発音に響、スバル、シュガー、クリスの四人がそう困惑の声を上げ、ティアナが真剣な表情でそう言うなか、今度は人々の逃げ惑うような声が聞こえてくる。

「ッ!!ただ事じゃなさそうね。ツキト達やフラン達はこことセレナを護って!装者達とスターズの二人、ヴェルザは私と一緒に爆発音の発生源へ!!」

『了解!!』

「マリア姉さん!?」

「セレナ……もしかしたら、貴女や貴女が護っている『匣』を狙っている奴らが街を襲撃してきたかもしれない……だから、ここで身を隠してて。」

「ッ………」

マリアにそう言われた瞬間、セレナは『サマエルの匣』を入れている、事情を聞いた『メイキングシスターズ』が急拵えで作った内部に特殊空間が広がっているポーチを両手で強く握りしめる。

「ごめんなさい。お金は迷惑料も含めて後できちんと払うから、今はこの子をお願い………」

「お、おぉ………」

「わかった………」

「それじゃあ、行くわよ!!」

そうしてマリア、響、未来、クリス、切歌、調、スバル、ティアナ、ヴェルザの九人は店を飛び出していく。

「マリア姉さん………」

「「………」」

「良いのかぁ?戦兎、万丈……お前らも行かなくて………今朝、月音に言われてたろ?」

『!?』

マリア達が飛び出していった扉を見ながら、セレナが不安げな表情でそう言うなか、エボルトがそう二人に話しかける。

「ふわっ!?なんじゃらほい!今の声!?」

「一体何処から………?」

「「………」」

『声』の発信源がエボルトだとは思っていないシュガーやルーミアがそう言うなか、戦兎と龍我は今朝、学校に向かう前に月音に言われてたことを思い起こす。

(『小火だろうと火事を起こしたり、店の中や近くで戦闘をしたりするなよ?もし、しやがったら……八つ裂きにするぞ。』)

「……ヤバい!!」

「月音に八つ裂きにされる!!」

「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」

次の瞬間、二人はそう言いながら玄関に向かって駆け出す。

「エボルト!その子達と店、頼んだ!!」

絶対ぜってぇ護れよ!もし、傷一つでも付いたらてめぇも道連れだからな!!」

二人はそう言いながら駆け出していった。
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