杯の少女

「綺麗な絵………」

「はい。これは確か暁さんと月読さんの故郷に咲くという桜でしょうか……凄く綺麗です………」

「………」スリスリ

「わっ!?」

「兎?」

ヴェルザとセレナがそう言いながら絵に見惚れるなか、エボルトが切歌と調の足元にすり寄ってくる。

((こいつ、また猫を被りやがった!!))

「あははは♪なんだか可愛いデス♪」

「ふかふか……」

そんなエボルトの姿に戦兎と龍我がそう思うなか、二人はエボルトを撫で始める。

「あ!フランに霊夢さんと魔理沙さん、シュガーとルーミア!ヴェルザ!」

「久しぶり。」

「!アキさん!ツキトさん!!」

「久しぶりなんだぜ。」

そんななか、そう話しかけてくるアキとツキトに対し、フランと魔理沙はそう返事をする。

「!いらっしゃいませ!空いてる席にご案内します!!」

「はい、お願いします。」

「それじゃあ、まずはテーブルに着きましょうか……セレナ、切歌、調、ヴェルザ。」

「「「「あ。はい(デス)。」」」」

そんななか、十五人の団体客が来たということを漸く認識した戦兎の案内でマリア達は分かれてテーブルに着く。

因みに振り分けはこんな感じ

テーブル①:マリア・セレナ・切歌・調・フラン

テーブル②:響・未来・クリス・スバル・ティアナ

テーブル③:霊夢・魔理沙・シュガー・ルーミア・ヴェルザ

尚、エボルトは調に抱っこされた状態でいるので悪しからず

「どうぞ!メニューとサービスのお茶です!!」

戦兎と同じようにマリア達の来店を認識した龍我もそう言いながら慌ててメニューとカップに注がれた、無料サービスの温かいお茶を配っていく。

「ありがとう。」

「麦茶ですか……スタンダートで良いですね。」

「温かいデス♪」

「身体がちょっと冷えてたから助かります。」

「あの……この子のご飯も貰えませんか?」

「ぷー」

龍我からメニューとお茶を受け取った後、マリア、フラン、切歌、セレナの四人がそう言うなか、調は腕の中にいるエボルトを見ながら純粋な目でそう言い、エボルトは『普通の兎』らしく愛らしい鳴き声を上げる。

((このっ……兎のくせしやがって………っ!!))

「少しお待ちくださいませ。」

「ご注文はお決まりでしょうか?」

そんなエボルトに二人とも内心、そう思いながら、龍我は営業スマイルでそう言い、戦兎は注文を確認する。

「「ぷっ……くく………」」

「………」

「?」

「そうね……私はカルボナーラで。セレナは?」

「あ。じゃあ……アキ彼方の人と同じミートソースで。」

そんな二人の様子に笑いを堪えるツキトとレイラ、苦笑いを浮かべるアキの三人の様子に首を傾げるなか、そう尋ねてくるマリアに対し、セレナはそう注文する。

「皆はどうする?」

「私はナポリタンで。」

「あたしはカレー!大盛りデェース!!」

「私はサンドイッチをお願いします。」

その後、そう尋ねるマリアに対し、同席の調、切歌、フランの三人はそう注文する。

因みに他の十人の注文は次の通り

響・スバル・霊夢:カレー(大盛り)

未来・ティアナ・ヴェルザ:サンドイッチ(葉野菜・卵・ハム)

シュガー:チョコパフェ

ルーミア:フルーツパフェ

魔理沙:きのこパスタ

「戦兎!数が多いから手ぇ貸せ!!」

「それではごゆっくり!!」

注文を受けた後、龍我と戦兎の二人はそう言いながら厨房へと消えた。
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