杯の少女

「!?」

(み、見られてねぇよな………)

「?クリス先輩?」

「どうかしたデスか?」

「あ。マリアさん。」

「これ………」

先程のやりとりを見られてないかどうかをどぎまぎしながら気にするクリスに調と切歌が首を傾げながらそう言うなか、未来とヴェルザはそう言いながら軽い変装用として購入した帽子とサングラスを手渡す。

「ありがとう……どうかしら?」

「似合ってるデスよ。マリア。」

「うん。とてもよく似合ってる……ね?セレナ。」

「はい。マリア姉さん、とても格好いいです。」

そんな二人にお礼を言いながら受け取り身に付けた後、そう尋ねるマリアに対し、切歌、調、セレナの三人は笑顔でそう言う。

「ところでスバル。あなた、アイスでも食べてた?」

「うぇっ!?なんでわかるの!?」

「口元にアイスが少しだけ付いてるわよ。昔に比べればマシになったけどまったく………」

そんななか、待ってる間、アイスを食べていたことを一発で見抜いたティアナがそう言いながらハンカチでスバルの口元を拭く。

「………」

「!」

「……(クスッ)…」

「あはは……」

「?なに笑ってるのよ?スバル。」

ティアナに口元を拭かれる自分を見て小さく微笑むセレナに思わず笑みを溢すスバルに対し、ティアナは首を傾げながらそう尋ねる。

「べっつにぃ~~、なんでもないよ。ティア。」

「?」

「あのぉ……昨日、初めて会った時から思ったんですけど………」

「スバルさんとティアナさんってもしかして………」

「うん。幼馴染みで親友だよ。」

「陸士の訓練校からかれこれ九年の付き合いよ。」

首を傾げながらそう尋ねる響と未来に対し、スバルとティアナはそう答える。

「やっぱり!じゃあ、私と未来と一緒ですね!!」

「私達も小さい頃からの幼馴染みなんです。」

「へぇ~、そうなんだ……」

「だから、響先輩と未来先輩は仲良しデス♪」

「うん。とっても仲良し。」

「まぁ、近くにいるあたしが目のやり場に困るくらいにな。切歌と調こいつらもだけど………」

「あぁ……その気持ちわかるわ………うちの上司達も人目を憚らずにイチャイチャするもの………」

響と未来、切歌と調の仲の良さについて、若干疲れぎみにそう言うクリスに対し、ティアナも若干同情しながらそう言う。

「スバルさんとティアナさんの上司………」

「まさか………」

そう言うティアナの言葉を聞いて、響とクリスはそう言いながらマリアを見る。

未来、切歌、調の三人もマリアを見る。

「?マリア姉さん?」

「……なにか勘違いされているみたいだから言っておくけど、私と翼のことじゃないわよ。」

「フェイトさんと、ここにはいないけど私達の直属の上司である高町なのは一等空尉の二人で小さい頃からの幼馴染みで仲良しなのよ。」

「結婚しちゃうくらいにねぇ~。」

「「「「「結婚!?」」」」」

対するマリア、ティアナ、スバルの三人からの説明に響達五人がそう困惑の声を上げるなか、

グゥゥ~~・・・

何処からかそう言う音が聞こえてくる。

「「……響(スバル)?」」

「「あ、あたしじゃないよ!?」」

その音にそう言いながら見てくるティアナと未来に対し、二人はすぐさまそう否定する。

「息合いすぎだろ……」

「じゃあ、誰が………」

「……ごめんなさい……私です………」

そんな二人にクリスと調がそう言うなか、セレナは少し恥ずかしそうにしながらそう言う。

「大丈夫よ。セレナ……ちょうど良い時間だし、何処かでご飯でも食べましょうか。」

そうして一同は何処かで昼食を取ることにした。
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