杯の少女

1年Sクラス、教室・・・

「………」ゴゴゴゴゴゴ…ッ!!

ざわざわ・・・ざわざわ・・・

(なんだ……この異様な空気は………)

「………」ビクビク

「「「「あははは……」」」」

授業が始まると同時に今朝の怒りが再燃したセッテが放つ重圧プレッシャーにざわついている教室の空気に月音はそう思うなか、すっかりビクついている彩夏を見ながらフェイト達は苦笑いを浮かべる。

「(カキカキ)はい。以前から授業で説明した通り、魔法陣は魔法の構成を図面化させたもので私達、魔導士には必要不可欠なものです。」

(へぇ~~~)

「又、魔法陣には種類が存在するのですが……セッテさん、何なのか答えられますか?」

魔法陣の重要性について、説く担当のヴィヴィオの説明に月音が内心、そう思うなか、ヴィヴィオは魔法陣の種類についての説明にセッテを指名する。

「………」ドキドキ

「はい。『任意型』と『設置型』の二種類です。」

「その通り、では、その二つの違いについて、答えられますか?」

「はい。『任意型』は先程、先生が始めに説明した通り、魔法の構成を表す図面として頭の中でイメージすることで魔法を行使できるのに対し、『設置型』は使い魔召喚用のように直接書いてから魔力を流すことで効力を発揮できます。

また、『設置型』の魔法陣は直接書き込む手間はかかりますが、一度書き込めば、誰でも魔力を流すことで使用できるようになる他、第三者の魔力等に反応する術式を組み込むことで罠として活用したり、事前に魔力を流してパスを繋げておくことで術者本人が離れていてもその魔法陣の効力を任意のタイミングで発動させることができます。」

彩夏が期待を込めた目で見守るなか、セッテはヴィヴィオからの質問に捕捉も交えながらそう解答する。

『おぉ………』

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ…ッ!!

自信たっぷりに答えたセッテの姿に他のクラスメイト達から感嘆の声が上がるなか、授業である関係上、声を発することのできない彩夏は嬉しそうな笑顔でこれでもかというくらいの拍手を送る。

「ッ……ッッ………」プルプル

「………」カァァァ

そんな彩夏にフェイトは笑いを堪え、セッテは恥ずかしさからか顔を赤らめながら俯く。

(『任意型』ってウィザードライバーみたいなものなのか?……いや、違うな……多分……?)

「では、今日は『設置型』のデメリットと対処法について」

ドカァァァンッ!!

突然の情報量の多さに月音が(´◎―◎`)な表情になりながら、そう思いながら固まるなか、爆発音と衝撃が学園中に響き渡った。
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