杯の少女

「あははは・・・」

「なんか漫画みたいな顔に変形しちゃってるけど大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫よ。零次は弄られキャラだから。」

「次ページには綺麗に復活するわ。」

軽くカオスと化した教室内にカインが苦笑いを浮かべるなか、そう尋ねる月音に対し、美咲と悠月はそう答える。

「メタな話だなぁ……」モグモグ

「……」モグモグ

対する月音はそう言いながらサンドイッチを頬張り、近くでりゅーきも同じようにサンドイッチを頬張る。

「ってなんでぬいぐるみが普通に飯食えてんだよ………」

「もう一つ、変わったといえば、セッテちゃんとの距離が前より近くなったような………」

「やっぱり!おまえら、とうとうヤ」

ズガァァァンッ!!

「はぁ……はぁ……っ!!」

「あうぅぅ……」プシュー

そんなりゅーきにマコトがそうツッコミを入れるなか、懲りずにデリカシー0の発言を言おうとした零次を、顔を真っ赤にしたセッテは何処からか取り出した『5㌧』と描かれたハンマーで机が真っ二つになる勢いで殴り、完全に沈める。

(何処から出したんだ?あのハンマー………)

「まったく……零次ったら……っ!!」

「もう少しデリカシーを持つべきだと思うの……」

零次を沈めたセッテの5㌧ハンマーを見ながら、月音がそう思いながら首を傾げるなか、エレンとヴィオラはそう言う。

「……なぁ、こいつはいつもこんな感じなのか?」

「そうね。大抵は零次がバカをやって、ノゾミかセッテに沈められるわね。」

「ある意味で私達にとってはいつもと変わらない『日常』ね。今日はノゾミがちょっと乙女になっているけど………」

「あうぅぅ………」プシュー

首を傾げながらそう尋ねる月音に対し、美咲と悠月はそう説明する。

「そうか……デリカシー0男(柾)はどうでもいいけど、真っ二つになった机はどうするんだ?」

「「「「「「「「「「あ・・・」」」」」」」」」」

「///」

「………」チーン

そう言う月音の言葉に未だに顔を真っ赤にして蹲(うずくま)るノゾミと沈められた零次以外のセッテ達10人は思わず固まる。

「これは一体どういうことかな?」

「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」

(まぁ、そりゃ怒るわな………)

直後に教室に降臨するニコニコ顔の金髪の鬼…もとい担任のヴィヴィオに思わずセッテ達が固まるなか、月音は一人、冷静にそう思った。
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