杯の少女

ジャングリラ大陸・・・

「はぁ……」

「ちょっと一翔。まだ引き摺ってるの?」

『地球』のジャングルのような木々で覆われた大陸、ジャングリラ大陸にて、ため息を吐く僕に対し、スィンはそう尋ねてくる。

あ。どーも。前作の巻き込まれ系主人公兼ノゾミの父親の中村一翔です。はい。

「まぁ、初対面の子にいきなり怯えられたら多少は……ね……」

「気持ちはわかるけど、今は重要な調査任務の最中だってことを忘れないでよね。」

「わかってるよ。」

そうして僕とスィンは再び歩み始める。

「そういえば今日から学園だっけ。」

「えぇ。それと確か、参観会があった筈ね。」

そんななか、ふと思い出したようにそう言う僕に対し、スィンはそう返事をする。

・・・初対面の子にいきなり怯えられ、神族しかできない長期任務のためとはいえ、娘の参観会にも行けてない・・・

「………」

「ちょっと。見てわかる位に落ち込まないでよ。ノゾミの参観会に行けなくて残念なのは私もなんだから。」

「あ。ごめん。」

明らかに呆れた表情でそう言ってくるスィンに対し、僕はすぐさまそう謝罪する。

・・・せめて・・・ノゾミ達の身に何も起きないと良いなぁ・・・
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