杯の少女

街中・・・

「もうっ、義母さんったら……!!」

「え、え~と、良かったね。セッテ!思い出してもらえて!照れ隠しなんでしょ?」

拗ねながらそう言うセッテに対し、ノゾミは引きつったぎこちない笑顔でそう言う。

「!」

(ノゾミ……)

「ちょっ、からかわないでよ!ノゾミ!!」

「あはは♪ごめんごめん♪」

(『ごめん』は私の方だよ……ノゾミ……)

「もう……」

「んんーーーっ!!アカネちゃんや皆と会うのも久しぶりだなぁ~♪」

「だねぇ~。」

ノゾミに気を使わせてしまったことに反省しながら、セッテはまだぎこちないノゾミに合わせながら明るく振る舞う。

お互いに『ジニア動乱』に巻き込まれる前の、『笑い合っていた日々』を思い出しながら。

「あ♪ノゾミちゃんにセッテちゃん!」

「おは……」

「おはようございます。」

「「「おはよう。」」」

「おはようさん。」

「おっはぁ~wwwww」

「あ。アカネちゃん。ジェイ君。カイン君。ラミ。」

「美咲。悠月。マコト。零次。」

そんななか、アカネ達八人と合流する。

「合宿以来だねぇ~。」

「元気……してた?」

「あ、う、うん。まぁ……ね……」

「おいおいwwwwwノゾミwwwwwなんかぎこちないゾwwwwwもしかして、あの合宿の後、セッテと一線を超え(ドスッ!!)(ドスッ!!)ぐふふっ!?」

「こ、超えてないから!!」

「今は変なからかいはやめておきなさい。」

いつもの感じでからかおうとした零次だったが、顔を赤くしたセッテからの腹パンと美咲からの顔面への肘鉄を食らい、沈められる。

「ふぅ……あ。そういえば、ヴィオラとエレンは?一緒じゃないの?」

「二人はちょっと遅れて後から来るって言ってたけど……どうするの?これ……」

そう尋ねるセッテにそう答えながら、ラミは沈められた零次を指差しながらそう尋ねる。

「しゃあねぇな……」

そんななか、マコトがそう言いながら零次の片足を持って引き摺り始める。

「まるでひき子さんね。」

その様子を見ながら、美咲はそう言いながらノゾミ達と共に学園へと向かった。
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