杯の少女

『ささめゆき』・・・

「♪」モグモグ

「このグラタンは電子レンジで五分、温めること。カレーやシチューは一人分をジップロックで詰めておいたから、注文が入ったら中身を鍋に入れて温めろ。温かい飲み物はポットに入れておいたからそれを使え。まだまだ言い足りないが、この世界の学校に行かないといけないからな………飲み物や料理の種類別にメモを書いたのをここに置いとくから、わからなくなったらそれを見ろ。わかったな?」

「お、おう・・・」

「だ、大丈夫だって月音!俺らだって喫茶店の経験あんだから!!」

朝食を食べ、昨日、拾った兎に餌(ざく切りしたキャベツやスティック状に切った人参)をやり、『フォールテ学園』の制服に着替えた後、店長モードでそう言う月音に戦兎が思わず気圧けおされるなか、龍我は若干冷や汗を流しながらそう言う。

「なら良いんですが最後に………小火ぼやだろうと火事を起こしたり、この店の中や近くで戦闘をしたりするなよ?もし、したら……八つ裂きにするぞ。」

「「………はい……」」

「じゃあ、行ってきまぁーす。」

最後に真顔でそう言った後、月音は『ささめゆき』を後にする。

((何事も起きませんように!!))

残された二人は本気でそう願った。
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