杯の少女

翌日、4時頃、特殊訓練場・・・

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズバババババババババババババババァンッ!!

翌日のまだ夜が明けていない4時頃、特殊訓練場でシンフォギアを纏ったノゾミは訓練用ノイズを斬り倒していく。

「はぁ……はぁ……ッ………」

そんななか、辺りが薄暗いせいか、ノゾミの脳裏に初めて『ハルシオン世界』に来た夜での出来事、そして、『シャングリラ』という国での出来事がフラッシュバックする。

僅かに生太刀を握る手が震え出す。

(ッ……ダメ……ここで止まったら私は)

「たくっ……最近の若者が……こんな夜も明けてねぇ時間に励んでんじゃねぇよ………」

「!?」

そんななか、和也が頭を掻きながら、そう言いながら現れる。

「その様子じゃちゃんと休めてもいねぇだろ。若ぇからって行き過ぎは身体に毒だぞ。」

「ッ……和也さんには関係ないです……!!」

ノゾミはそう言いながら訓練を続行しようとする。

「………」

「!?」

が、瞬時に和也に胸ぐらを掴まれ、引き寄せられる。

「いい加減にしろよ。十数年しか生きてねぇガキが一丁前な口利いてんじゃねぇよ。確かに俺はあの戦いに関しては佳奈多から聞いた情報しか知らねぇから詳しいこと…てめぇの『罪』がどれ程のものなのか俺には想像することしかできねぇ。だとしてもだ。てめぇが今、やってることは…誰かのためになんのか?自分てめぇのためになんのか?俺にはとてもそうは見えない。今のてめぇは『機動六課』設立当初のティアナと一緒だ。てめぇがやってることは誰かのためでもなければ、ましてや自分てめぇのためでもない…ただの『自壊』だ…」

「!?」

ドサッ!!

「ちったぁ頭冷やせ、俺にはおまえから『希望』を感じられねぇんだよ…」

そこまで言って放り投げた後、本気で心配している和也は哀しみが入り交じった表情でそう言う。

「わ、私は……」

「私も同意見だな。」

「!?フェイト……いや、翼か……」

そんな和也の言葉にノゾミが揺れるなか、フェイトがそう言いながらその場に現れる。

「翼さん……」

「戦いましょうか。ノゾミ、貴女と私。」

「え?」

「!?翼!?」

Imyuteusエミュテウス amenohabakiriアメノハバキリ tronトローン

パキィィィンッ!!

フェイトはそう言いながら自身のシンフォギア、天羽々斬を展開し、身に纏う。

「貴女がその“力”で護れるというのなら、示してみなさい。」
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