現在、『ウェズペリア』、アトラン王国、ナカムラ家、リビング・・・

「ーーーそうして私はセレナと一体化した。セレナの歌と命を絶やさないために……」

「それじゃあ、セレナが元いた世界のマリアは……」

「私が来る少し前にセレナを助けて死んだ……」

「わ、私や調、マムはどうなったんデスか？」

セレナと一体化した経緯について、説明した後、調からの問いにそう答えるゼノヴァに対し、切歌は恐る恐るそう尋ねる。

「ナスターシャ教授は無事だったが、おまえ達二人は……」

「そう……デスか……」

「セレナはこのことは……」

「(ﾌﾙﾌﾙ)一切知らされていない。私がセレナと一体化する瞬間を偶然見ていたナスターシャ教授からおまえ達の死を知らせぬよう、頼まれていたからな。」

「！？マムはあなたのことを知っていたの！？」

ナスターシャ教授がセレナと一体化していたゼノヴァの存在を認識していたということについて、マリアはそう困惑の声を上げる。

「あぁ、彼女は私に口止めを頼むと同時にセレナのことを護ってほしいと頼んできたんだ……」

対するゼノヴァはそう言いながらナスターシャ教授が自身のことを認識した経緯について、話し始めた。