戦姫達との邂逅

大浴場・・・

カッポーン

「あぁ……気持ちいいね♪未来♪」

「うん。魔法の世界でも温泉はあるなんてちょっと感動かも。」

「因みにこの温泉……彩夏さんが適当に掘り当てたって……」

「うぇっ!?」

「適当に掘り当てたって……マジかよ……」

「あはは♪広いから泳げるデェース♪」バシャバシャ♪

お風呂場もとい大浴場にて、湯船に浸かりながらそう説明するヴェルザに対し、響は思わずそう驚きの声を上げ、クリスは何とも言えない表情でそう言うなか、切歌はそう言いながら平泳ぎする。

「ってコラァッ!!風呂場で泳ぐんじゃねぇよ!!」

「もう、切ちゃんったら……」

「あはは……なんかクリスさん、お姉さんみたいだね。」

「そうね。口調も相まってノーヴェみたいだわ。」

「………」

すぐさま注意するクリスを見ながら、スバルとティアナがそう言うなか、セレナは温泉に若干戸惑いながらもその効能でリラックスしている。

バシャシャシャ・・・ッ!!

「え?」

「?アヒル……の玩具?」

そんななか、黄色いアヒルの玩具がセレナと調の近くまで泳いでくる。

「あはは……それ、あたしの。昔、六課の隊舎のお風呂でよく使って遊んでたんだ。」

「まぁ、これぐらいの遊びはね。」

「………」

アヒル玩具について、スバルとティアナがそう説明するなか、セレナはアヒル玩具を手に取り、不思議そうに見つめる。

「それね、紐が付いてるでしょ。その紐を引っ張って水に浮かせるの。」

「………」

スバルに言われた通りにセレナはアヒル玩具に付いている紐を引っ張る。

<ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛…

「えぇ・・・」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛って・・・」

「………」

引っ張ると同時に出たアヒル玩具の鳴き声(?)に切歌と調が何とも言えない表情でそう言うなか、セレナはアヒル玩具を浮かせる。

バシャシャシャ・・・ッ!!

「あ!泳いだデス!!」

すると、アヒル玩具は独りでに泳ぎ始める。

「わぁ・・・」

それを見たセレナは思わず笑顔を浮かべる。

「あ。漸く笑ったね。」

そんなセレナの笑顔を見たスバルは笑顔でそう言う。

「あっ・・・」

「お邪魔しまぁーす!おぉーっ!英華ちゃんから聞いてたけど、広ぉーいっ!!」

対するセレナが思わず呆けた声を上げるなか、気絶した状態のまま、器用に脱がされたノゾミを姫抱きしながら、友奈がそう言いながら入ってくる。

「「「「「「「「?」」」」」」」」

「♪~♪~」

ヴェルザ以外の八人が『誰?』と言いたげな感じで首を傾げるなか、友奈はノゾミの身体を洗い始める。

「友奈さん……お姉ちゃん、どうしたの?」

「う~ん……訓練のし過ぎで気を失っちゃってね……」

「そうなんだ……手伝う………」

そうしてヴェルザも手伝い始める。

「どうやら立花達もくつろげているようだな。」

「そうね。」

「「「「「!?マリア(さん)!?」」」」」

「!?」

そんななか、フェイトとマリアがそう言いながら入ってくる。

「久しぶり……で良いかしら。調。切歌。クリス。響。未来。それと……セレナ………」

「マリア……姉さん……!!」ダキッ!!

笑顔でそう言うマリアに対し、セレナはそう言いながら、涙を流しながら抱きつく。

(良かった………マリア姉さんが無事で………本当に、良かった………!!)

「セレナ・・・」

(この様子だと元いた世界で何かあったのは間違いないわね……)

抱きついた後、そう思いながらマリアの胸に顔をうずめるセレナに対し、マリアはそう察しながら優しく抱き締める。

「セレナ。身体を洗ってきちゃうから先に浸かって待ってて。」

「あ。うん……ごめんなさい……」

「大丈夫よ。久しぶりに姉妹でゆっくりしましょう。」

「・・・うん・・・!!」

そうしてセレナは湯船に浸かり、マリアとフェイトも身体を洗い始めた。
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