特殊訓練場・・・

「はあああぁぁぁーーーっ！！！」

ズババババババババババババババババババババァァァンッ！！

ノースリーブの膝丈の黒いスーツに腕は手首までのスーツと同じぴったりとしたグローブ、胸と脚の膝上から先は白銀の機械的な武装に包まれ、龍の角のようなヘッドギアを装着した・・・シンフォギア　『生太刀（いくたち）』 を身に纏ったノゾミがまるで龍の雄叫びのような声を上げながら、ハルシオン世界に迷い込む前よりも速いスピードで訓練用として召喚された、『メイキングシスターズ』製の擬似ノイズを斬り伏せていく。

「あんな感じよ、ずっとね……」

「ノゾミ……」

かつての少女らしい華麗さは消え、猛々しさを通り越した、鬼気迫る雰囲気で捨て身覚悟ともいえる荒々しい戦い方で擬似ノイズを斬り伏せていくノゾミの姿にマリアと共に物陰から見守っていたフェイトは胸が締め付けられそうになる。

「はあああぁぁぁーーーっ！！」

ズババババババババババババババババババババァァァンッ！！

「ッ……」

(私がノゾミが『罪』を背負う前に駆けつけていれば……)

「……マリア。立花と小日向、雪音、暁と月読がこの世界にきた……」

荒々しい戦い方を続けるノゾミを見ながら、フェイトがそう思いながら唇を噛み締めるなか、翼が響達のことについて、そう報告する。

「あの子達が？」

「あぁ、ギャラホルンを使ってこの世界にあるシンフォギア　ミョルニルを探しにな。」

「……なるほど……」

「立花達とは別の平行世界からもセレナが次元漂流者として迷い込んできた。聖遺物と思われるロストロギアを抱えながらな。」

「！？セレナがっ！！？」

「！？」

「「「あ・・・」」」

「マリアさん、フェイトさん……」

思わず大きな声を上げてしまったマリアの声で二人の存在に気付いたノゾミは一旦動きを止め、二人の方を見る。

「え、え～と……久しぶり。ノゾミ。」

「もうシンフォギアには馴れたか？」

「はい。若葉さんの“力”を継いだからか、よく手に馴染みます。」

フェイトは気まずそうな感じでそう言うなか、そう尋ねる翼に対し、ノゾミは淡々とそう答える。

一見変わっていないように見えるその目からは光が消え、喋り方も事件前のようなハキハキとした明るいものではなくなっていた。