特務GUTS

シュガー・ルーミアの部屋・・・

「………はい。私に出来る一通りの検査は致しました。お二人とも、身体への負担が大きく、暫くは大人しくされた方が良いと思います。チカラの方ですが、そちらは元の状態まで落ち着いたかと思われます。」

その頃、戦いの最中で謎の暴走を起こしたルーミアと、そのルーミアと戦い、『歌』で止めることに成功したシュガーを検査したマトイはそう二人に言う。

「……そうか……」

「ありがとうだじぇ。」

「いえいえ。それでは……」

そうしてマトイは部屋から出ていく。

「ごめん。シュガー。迷惑かけちゃって……」

「良いって良いって。それよりもどうしたんだじぇ?ルーミア。」

「私にもよくわからないんだ。ただあの時、シュガーがあの化け物に喰われると思ったら、頭の中で声がしたんだ。『壊セ・・・壊セ・・・』って。」

暴走のことについて、そう尋ねるシュガーにそう答えながら、ルーミアは自分の手を見つめる。

(あの時、感じた……自分が自分でなくなるような感覚……ただただ破壊を求める狂暴さ……)

ルーミアはそう思いながら、朧気ながらも覚えていた暴走していた時のことを思い起こす。

(もし、あの時、シュガーが止めてくれなかったら私は……!!)

「ッ……!!」

そう思った瞬間、ルーミアの身体が不安で震える。

「……大丈夫だよ。」

「え?」

「例え、どんなチカラが宿ってたってルーミアはルーミア!暴れそうになったら私がまたぶん殴ってでも止めてやるから!!」

「シュガー……」

笑顔でそう言うシュガーの言葉にルーミアの不安が晴れていく。

「……ありがとう……」
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