戦場に響き渡る歌声

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

斬りかかってきたハルカの生太刀をCCガニコウモルは左手の鋏で受け止める。

ピキ・・・ッ!!

「!?」

が、その瞬間、受け止めた鋏に僅かながらもヒビが入る。

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

「グッ!?」

そのことにCCガニコウモルが動揺するもつかの間、ハルカは膝蹴りを食らわせ、

ズバァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

生太刀で一閃を食らわせ、吹き飛ばす。

「よしっ!さっきよりも攻撃が効いている!!」

『このまま押しきるぞ!!』

「グオオオォォォーーーッ!!」

ズガアアアァァァンッ!!

ハルカとミライドウォッチ内にいる若葉がそう言うなか、CCガニコウモルは両翼のパネルから炭素分解の効果がある赤いビームを放ってくる。

「フッ!!」

ズガアアアァァァンッ!!

「「グオオオォォォーーーッ!?」」

が、ハルカはビームを紙一重にかわした直後、ゴースターとスノーマンがビームを食らい、炭素分解し、消滅する。

「!?」

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズバババババババババババババババァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

その隙にハルカは生太刀で更に十数ヵ所の切り傷を負わせる。

「グッ・・・グオオオォォォーーーッ!!」

対するCCガニコウモルは耐えかねたのか、翼を羽ばたかせ、飛翔して逃げようとする。

「逃がすか!!」

『ヒメユリ!!』

ハルカはそう言いながら前に倒したスロットを戻し、ユウカミライドウォッチのダイアルを回してキキョウモードからヒメユリモードに変える。

『投影!!』

『フルブルームタァーイムッ!!』

『姫百合の勇者!旋刃盤で守れ討て切れ!!』

『姫百合!姫百合!球子の力!!』

パァァァ・・・

そういう音声と共に今度は山吹色の姫百合の花弁が足元から現れ、ハルカを包み込む。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、ハルカは白い袴と赤いマフラーが消え、首回りに円のような装飾が、額には姫百合の花が付き、複眼も山吹色で『ヒメユリ』と記された姿・・・ハルカユウカ・ヒメユリフォームに変わる。

「フッ!!」

ヒメユリフォームに変わった後、ハルカは旋刃盤に変化したジゴクレーベンを飛翔するCCガニコウモルに向かって投擲する。

「ッ!!」

CCガニコウモルは横に移動することでかわすも、

ズバァァァンッ!!

「グオオオォォォッ!?」

戻ってきた旋刃盤で膝から下を斬り落とされ、苦痛の声を上げる。

「まだまだいくぜ!!」

『アラセイトウ!!』

『投影!!』

『フルブルームタァーイムッ!!』

『紫羅欄花の勇者!金弓箭で射ぬけ!!』

『紫羅欄花!紫羅欄花!杏の力!!』

パァァァ・・・

今度は薄紫の紫羅欄花の花弁が足元から舞い上がり、包み込まれる。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、ハルカは白いローブを羽織り、額には紫羅欄花の花が付き、複眼の文字が薄紫の『アラセイトウ』に変わった姿・・・アラセイトウフォームに変わる。

アラセイトウフォームに変わった後、ハルカは金弓箭に変化したジゴクレーベンのタッチパネルを操作し、構える。

『ビヨンドザタイム!!』

コォォォ・・・ッ!!

すると次の瞬間、そういう音声と共に強い冷気と輝きを放つ薄紫のエネルギー矢が形成され、金弓箭にセットされる。

「はぁっ!!」

「!?」

ズドオオオォォォンッ!!

ハルカがそう言いながらトリガーを引いた瞬間、エネルギーが光を超えた速さで放たれ、CCガニコウモルを貫く。

パキキキ・・・ッ!!

「グオオオォォォ・・・ッ!?」

貫かれた箇所を中心にCCガニコウモルは一瞬にして凍りつく。

「これで終わらせる……!!」

『キキョウ!!』

『投影!!』

『フルブルームタァーイムッ!!』

『桔梗の勇者!生太刀で切り開けっ!!』

『桔梗!桔梗!若葉の力!!』

パキィィィンッ!!

その隙にハルカはキキョウフォームに変わり、生太刀を構える。

「ぐわぁぁぁっ!?くっ!!はぁっ!!」

「トドメだっ!!とうっ!!」

その頃、ショッカーライダーと本郷は互いにそう言いながら跳び上がり、“ライダーキック”を放つ体制に入る。

「ライダーッ!キックッ!!」

「ライダァァァァァッ!!キィィィックッ!!!」

ズガァァァンッ!!

次の瞬間、ショッカーライダーと本郷の“ライダーキック”がぶつかり合う。

「はあああぁぁぁっ!!」

「ぐっ!?……ぐわあああぁぁぁっ!!?」

ドッカァァァンッ!!

が、本郷の“ライダーキック”がショッカーライダーの“ライダーキック”を押し負かし、本郷の“ライダーキック”を食らったショッカーライダーはそう断末魔の叫びを上げながら爆発し、消滅する。

一方のハルカはタッチパネルを操作してから生太刀で居合い斬りの構えを取る。

『ビヨンドザタイム!!』

カァァァ・・・ッ!!

そう言う音声と共に蒼い光が刀身を包み込む。

「『“一閃緋那汰”!!』」

ズバアアアァァァーーーンッ!!

ハルカが若葉と共にそう言いながら、トリガーを引きながら生太刀を引き抜いた瞬間、伸びた光の刀身が氷漬けになったCCガニコウモルを一刀両断する。

ドッカァァァンッ!!

キキョウフォームでの必殺技、“一閃緋那汰”を食らったCCガニコウモルは取り込んだカルマノイズごと爆発し、消滅。キャンサーバーテックスメモリも粉々に砕け散る。

パァァァ・・・

CCガニコウモルを倒した後、ハルカユウカは変身を解き、ハルカと若葉に分離する。

「ふぅ……」

(これが……雪那も変身する仮面ライダーの“力”か……)

「よく頑張ったな。勇気を持ってあの強敵に挑んだんだ。あなたも立派な勇者だ。」

自分のミライドウォッチを見ながらそう思うハルカに対し、若葉はそう話しかける。

「そりゃどうも……」

「また、我等の“力”が必要になった時はこれを使ってくれ。」

若葉はそう言いながら先程、自分達が宿っていた時よりは出力が落ちているユウカミライドウォッチを手渡す。

「!?こいつはさっきの……良いのか?」

「構わない。共に一体となって戦った我々の絆の証だ。それで、あなたの護りたいものを護ってくれ。」

「……わかった……」

その後、ショッカーライダーを倒し終えても尚、一号に変身したままの本郷が合流してくる。

「よく頑張ったな。だが、まだ敵はいる。」

本郷がそう言った直後、新手の通常ノイズが現れる。

「共に蹴散らすぞっ!!」

「はいっ!!」

「ッ!!」

『ユウカ!キキョウ!!』

『アクション!!』

「変身!!」

『投影!!』

『フルブルームタァーイムッ!!』

『桔梗の勇者!生太刀で切り開け!』

『桔梗!桔梗!若葉の力!!』

パキィィィンッ!!

本郷と若葉がそう言いながら拳と生太刀を構えるなか、ハルカは再びハルカユウカ・キキョウフォームに変身して生太刀に変化したジゴクレーベンを構える。

そうして三人は通常ノイズの群れに向かっていった。
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