戦場に響き渡る歌声
「あん?あんたら、あたしのこと、知ってるのか?」
「知ってるのかって……」
「覚えてないのか?雪音。」
「いや。覚えてないも何も、あたしはあんたらとは初対面だから。」
ズガガガァンッ!!
「「「グオオオォォォーーーッ!?」」」
「ふん……」
「雰囲気こそ、出逢った頃に似ているが……間違いなく雪音だ!!」
「!?」
翼がそう言うなか、フェイトは懐にしまった勇華メモリが脈打っているような感覚を覚える。
カァァァ・・・カァァァ・・・
取り出してみると、勇華メモリがインフィニットエクシードに覚醒進化したノゾミと共鳴するかのように点滅しながら光り輝いていた。
(勇華メモリが反応している……?でも、これなら!)
『勇華!!』
「お願い!友奈、手を貸して!!」
フェイトはそう言いながら勇華メモリを起動し、宙に放る。
すると、勇華メモリから光が放たれ、それが人型になる。
パキィィィンッ!!
「高嶋友奈、ただいま参上!!」
次の瞬間、光は勇者 高嶋友奈となって降り立つ。
「また新手を呼んだみたいね……」
「英華ちゃん!私はどうすれば良い?」
「友奈、お願い!他の所で戦っている子達の救援に向かって!!こっちは大丈夫だから!!」
友奈を見ながらファラがそう言うなか、そう尋ねる友奈に対し、フェイトはそう言う。
「了解だよ!頑張ってね!!」
対する友奈はそう言いながらノゾミやセッテ達の方に向かおうとする。
「私達がそう簡単に素通りさせるとお思いで?」
ズドドドドドドドッ!!
が、ファラがそう言った瞬間、アナザーブレイブが七弾の光の短剣を友奈に向けて、放つ。
ズガガガガガガガァンッ!!
が、クリスが銃弾を放ち、全て撃ち落とす。
その隙に友奈は跳躍を繰り返しながらノゾミ達が戦っている場へと急行する。
ザッ×2!!
「雪音!私が前に出る!援護射撃を頼む!!」
「私がクリスの護衛に回るわ!クリスは射撃に集中してちょうだい!!」
その直後、
「初対面なのに命令すんな!!」
「フッ……命令ではないさ。頼んでいるんだ!!」
「はぁ!?初対面の相手に背中を預けるってのかよ!?」
「あぁ、今はそうするべきだろう?」
「それにこの状況で後ろから撃つ、なんて真似をあなたはしないでしょ?」
戸惑いながらそう言うクリスに対し、フェイト(翼)とマリアは信頼しきった笑顔でそう言う。
「ちっ!確かにそういうのはあたしの性じゃねぇ。なんで初対面でそこまで信頼してんのか知らねぇが、どのみち標的は一緒だ……やってやるよ!!」
「よしっ!!では、行くぞ!!」
ドンッ!!
「はあああぁぁぁーーーっ!!」
「ッ!!」
ガキィィィンッ!!
「おらぁぁぁっ!!」
ズドドドドドドドドドドッ!!
そこにすかさずクリスが援護射撃として十弾の銃弾を放つ。
「くっ!!」
ズオオオォォォーーーッ!!
対するファラは銃弾をかわしながら後退し、左掌から赤紫のスライム状の物質を放出する。
物質は複数のノイズへと変わり、クリスへと向かっていく。
「ッ!!」
クリスはすぐさま迎え撃とうとする。
「はあああぁぁぁーーーっ!!」
「!?」
ズバババババァァァンッ!!
が、マリアが全て斬り伏せる。
「言ったでしょ。あなたは援護射撃に集中してって。」
「……ちっ!わぁーったよ……」
ノイズを斬り伏せた後、笑顔でそう言うマリアに対し、クリスは舌打ちしながらもそう言う。
そんななか、
ズドドドドドドドドドドッ!!
「!?」
が、そんな友奈の頭上から十本の光の短剣が放たれる。
「わわっ!!」
ズガガガガガガガガガガァンッ!!
「グルル・・・ッ!!」
なんとかかわした友奈の前に後から追いかけてきたアナザーブレイブが立ち塞がる。
(えっと、この怪人は倒した方が良いよね?)
(あぁ、師匠達と敵対していた訳だし、敵と認識して良いだろう。)
(倒すべきだと思うわ。高嶋さん。)
頭の中でそう尋ねる友奈に対し、勇華メモリ内にいる若葉と千景はそう言う。
(了解!!)
「よしっ、全力でいくよぉーっ!!」
友奈はそう言いながら拳を構え、アナザーブレイブに向かっていった。