戦場に響き渡る歌声

「ッ……ここは……?」

気が付くと、ノゾミは見覚えのない神社の境内にいた。

「ここは……精神世界?でも、この神社に行った記憶なんて……」

ノゾミがそう言いながら首を傾げるなか、一人の少女がノゾミの前に現れる。

その少女は桔梗を模したような蒼い服を着ていた。

「諦めるな。生きてくれ……」

「!?あ、あなたは?」

その少女の声が自分とよく似ていることに戸惑いながらもノゾミはそう尋ねる。

「私は乃木若葉。ノゾミ・ナカムラ、君に問いたい。

君は、友のために、運命を変える覚悟はあるか?」

「……あります。私は、未来を切り開きたい!大切な友達と一緒に!!」

真剣な表情でそう尋ねる少女、若葉に対し、ノゾミはセッテや雪那達のことを思い起こしながらそう答える。

「………」

「………」

その後、二人は互いに見つめ合う。

「……ならば、私の“力”を授けよう。」スッ

が、若葉は優しく微笑みながら、そう言いながら右手に灯す、蒼く輝く光を差し出す。

「この“力”の鍛練をしたければ、私の師匠に頼むと良い。」

「?乃木さんの、師匠?」

「『雷光』と呼ばれる、あの人だ。」

首を傾げながらそう尋ねるノゾミに優しい笑顔でそう答えながら、若葉は光を差し出す。

パァァァ・・・ッ!!

その光をノゾミが戸惑いながらも受け取った瞬間、二人を中心に辺りが蒼い光に包み込まれた。
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