戦場に響き渡る歌声
「くっ……あの頃と違って二人とも、強くなっているとはね……!!」
その頃、
「もうあなた達、自動人形に苦戦した私達じゃないわ!!」
「行くぞ!!マリア!!フェイト!!一気にこいつを叩く!!」
「えぇっ!!」
翼はそう言いながらマリアとフェイトと共に畳み掛けようとする。
「!?待って!!翼!!マリアさん!!ノゾミとセッテが!!」
「!?なに!?」
「!?」
が、感応波でノゾミとセッテのピンチを感じとったフェイトの言葉に二人は動揺し、身動きが一瞬だけ止まってしまう。
ズバァァァンッ!!
「「「!?」」」
すると次の瞬間、何処からかワインレッドの炎の斬撃がマリアに向けて、放たれてくる。
「くっ!!」
パァァァ・・・ズガァァァンッ!!
マリアは咄嗟に複数の短剣でエネルギー力場を展開し、斬撃を防ぐ。
「「マリア(さん)!!」」
「フフ……どうやらあなた達にとっても私にとっても思いもよらない援軍がきたようね……」
「「「!?」」」
「グルル・・・ッ!!」
ファラがそう言った次の瞬間、斬撃が放たれた方から足元まで伸びたボサボサのポニーテールにボロボロのダークブルーの鉄仮面と鎧、黒目がない白目をした、ゲーマライダーブレイブをモチーフにしたような怪人が唸り声を上げながら現れる。
「怪人!?しかもあれはもしかして……」
「アナザーライダーというものか!?」
「グオオオォォォーーーッ!!」
突然、乱入してきた怪人、アナザーブレイブを見て、
「ッ!!」
突っ込んできたアナザーブレイブを見て、
・・・フッ・・・
「!?」
「!?消えただと!?」
「グオオオォォォーーーッ!!」
「「「!?」」」
が、アナザーブレイブは一瞬にしてマリアの背後に瞬間移動し、斬りかかってくる。
「なっ!?」
ズバァァァンッ!!
「くっ!?」
絶唱のバックファイアの影響が残っているのか、マリアは左肩を斬りつけられる。
ピキキ・・・ッ!!
斬りつけられた傷口が少しだけ凍り始める。
「くっ……」
斬りつけられた後、マリアはバックステップでアナザーブレイブから距離を取る。
(最初は炎の斬撃を放ってきたと思ったら、今度は氷結効果のある剣……厄介ね………)
「「マリア(さん)!!」」
「おっと、あなたの相手は私でしてよ。」
ズドドドドドォォォンッ!!
ファラはそう言いながら螺旋回転する“風の槍”を数弾、
「「くっ!!」」
「フフフ……!!」
「くっ!!」
ガキィィィンッ!!
そんななか、風を纏って斬りかかってきたファラのソードブレイカーを
「グオオオォォォーーーッ!!」
「くっ!!」
ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!
アナザーブレイブとマリアは火の粉や氷の粒を散らせながら、激しく斬り結ぶ。
(くっ……マズいわね……翼との連携が崩されている……!!)
フェイトが感じ取ったノゾミとセッテのピンチという情報による動揺、更にはアナザーブレイブというイレギュラーの存在によって連携が崩されたことにマリアは焦り始める。
「………」スッ
「?」
そんななか、アナザーブレイブは左掌を翳し、
ズドオオオォォォンッ!!
そこから火柱を直線上に放ってくる。
「くっ!!」
マリアはなんとか火柱を避ける。
ズズズ・・・ッ!!
「「「グオオオォォォーーーッ!!」」」
「なっ!?」
が、その瞬間、マリアの足元の粒子が凝固し、魔導士のような格好をしたバグスターウイルスになり、絡みつき、身動きを封じる。
「しまった!?」
「グオオオォォォーーーッ!!」
ズガアアアァァァーーーンッ!!
アナザーブレイブはすかさず雷のビームを放ってくる。
「くっ!!」
パァァァ・・・ッ!!
マリアは斬撃を防いだ時と同じように複数の短剣でエネルギー力場を展開し、防ごうとする。
ズガアアアァァァーーーンッ!!
「きゃあああぁぁぁっ!?」
エネルギー力場の盾はビームの威力を弱めることはできても呑み込まれる。
マリアは咄嗟に絡みついていたバグスターウイルスを盾にすることで直撃は避けることはできたもののダメージを受け、吹き飛ばされてしまう。
「「マリア(さん)!!」」
「フッ!!」
「「!?」」
ブオオオォォォーーーッ!!
マリアがアナザーブレイブのビームで吹き飛ばされるのを見て、思わず動きを止めてしまった
ドサッ!!
「「うっ……くっ……」」
「くっ……つば……さ………」
「フフフ……思いの外、役に立つわね。このアナザーライダーというのは……」
「グルルル・・・」
ズズズ・・・ッ!!
ファラがそう言うなか、アナザーブレイブは更に二十体のバグスターウイルスを召喚し、倒れ伏す二人に向かって侵攻させる。
「くっ……」
「マズい……わね……」
「このままだと……」
マリアと
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!
『グオオオォォォーーーッ!?』
「「「「「!?」」」」」
何処からか、二十弾の銃弾が放たれ、二十体のバグスターウイルスが撃ち抜かれる。
「たくっ、こんな奴らに手こずるなんて、管理局の装者はこの程度なのかよ?」
「!?この声は……」
「まさか……」
ザッ!!
「「「「「!?」」」」」
「………」
次の瞬間、一人の少女が
薄い紫のツインテールに赤いシンフォギアを身に纏い、四門のガトリング砲を両手に装備していたその少女を見ながら、翼とマリアは驚きを隠せないと言わんばかりにその少女の名を呟く。
「「雪音(クリス)………」」
「あん?」
赤いシンフォギア・・・イチイバル装者、雪音クリスが戦いの地に降り立った。