戦場に響き渡る歌声

「さながらお姫様を助けだした王子様みたいね。」

「うっ……」フラッ

「っと……」ポスッ

マリアがそう言うなか、側まで降り立ったシュガーはルーミアを抱えたまま倒れ込むように気を失い、マリアが寸前のところで受け止める。

「……よく頑張ったわね……」

決して離さないと言わんばかりに気絶したルーミアの抱き抱えながら気を失うシュガーに対し、マリアはそう言いながら優しく撫でる。

(こっちはなんとか収束した……翼の方は大丈夫かしら……)

今、ファラと戦っているフェイトの身を案じていた次の瞬間、

ズガガガガガガガガガッ!!

「!?」

「くっ……!!」

「フフフ……」

フェイトとファラが地面を削りながら移動してくる。

「翼!!」

「マリア!!無事か!?」

「えぇ、この子が頑張ってくれたおかげでね。」

「シュガー!!ルーミアさん!!」

「大丈夫か!?」

ファラに警戒しながらそう尋ねるフェイトにマリアがシュガーを見ながらそう言うなか、フランやノーヴェ達が駆けつけてくる。

「フフフ……」

「!?来ちゃダメッ!!」

「「「「「「「え?」」」」」」」

「遅いですわ、よっ!!」

ズバアアアァァァンッ!!

ファラはそう言いながらフラン達に向けて、赤紫の竜巻のような斬撃を放ってくる。

「くっ!!」

カァァァ・・・ズガアアアァァァンッ!!

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「フフフ……」

ガキィィィンッ!!

咄嗟に前に出たマリアが複数の短剣で展開したエネルギー力場の盾で防ぐなか、斬りかかってきたフェイトのバルディッシュをファラはソードブレイカーで受け止める。

「フフフ……」

「ッ!!」

ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

「この子達を連れて、早く別荘に!!」

その直後、ファラとフェイトが十数回と斬り結ぶなか、マリアはそう言いながら気絶したシュガーとルーミアをノーヴェとフランに預ける。

「……わかった!!」

「あの……二人の容態は……?」

「大丈夫。互いに疲労でぐっすり眠っているだけよ。」

気絶している二人の容態について、そう尋ねるフランに対し、マリアは冷静にそう答える。

その後、フラン達は二人を抱え、別荘へと避難する。

「ッ!!はぁっ!!」

ズドドドドドドドッ!!

そんなフラン達を見送った後、マリアは複数の短剣をファラに向けて、放つ。

「おっと……」

「翼!!」

「マリア!!」

ファラがその短剣を避けながら距離を取った後、マリアはフェイトと合流する。

「行けるか?マリア!」

「問題ないわ。援護は任せなさい!!」

そうして二人はファラへと向かっていった。
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