未来からの襲撃者

現実・・・

(あの時、ルーミアはボロボロになりながらも三人に勝ち、勝鬨を上げた……そんなルーミアの姿は凄くカッコ良かった……そんなおまえがっ!!)

『『『『『『『『グオオオォォォーーーッ!!』』』』』』』』

ズガアアアァァァーーーンッ!!

「「「「「!?」」」」」

分身達と共に暴走状態にあるルーミアと戦いながら、シュガーがそう思うなか、ルーミアの背中から出現した八本の黒炎龍の頭はそう雄叫びを上げながら結集させたブレスをマリアに向けて、放ってくる。

「ッ!!禁忌、『レーヴァテイン』!!!」

ズガアアアァァァンッ!!

シュガーは咄嗟にマリアの前に出て、『レーヴァテイン』を放ってルーミアのブレスを受け止める。

「ぐっ!?うぅ……っ!!?」

が、出力はルーミアの方が上なのか、次第に押されていく。

ズガアアア・・・ッ!!

「くっ……負ける……か!!……私は……ルーミアを……!!」

「ルーミアちゃんとこれからも楽しいことがしたいから暴走を止める!だから、“力”を貸すよ!!」

「本当は戦いたくないけど、ルーミアさんを止められない方がもっと哀しい!!“力”を貸すから助けてあげて!!!」

「私らの“力”を貸してやる!!“力”に呑まれているあのバカを止めやがれ!!!」

分身達はそう言いながらシュガーの肩や背中に手を当て、“力”を集約させる。

ズガアアアァァァーーーンッ!!

それにより、シュガーの『レーヴァテイン』の出力が上がり、ルーミアのブレスと拮抗する。

「ルーミア!!聞こえてるかぁっ!!」

「ウっ・・・シュ・・・ガー・・・」

「いつまで独り善がりの暗闇に呑まれてんだ!?『女は度胸』って言ったのはルーミアだろ!?いい加減日向に出てこいや!!バカヤローッ!!!」

「シュガー・・・ッ!?」

「日向ダト?ソンナモノ、何処ニモアリハシナイ!人間ノ本質ハ闇ダカラナ!!」

「ルーミア!!」

シュガーからの喝に一瞬だけ、ルーミア自身の意識が表へ出ようとする。

が、ルーミアを呑み込みつつある、ルーミアであってルーミアでない『何か』がルーミアを押し退け、語り出す。

「人間ハ愚カナ生キ物ダ!!同ジ自然カラ生マレタ命デアルニモ関ワラズ、生マレガ違ウトイウダケデ他ノ種ヲ虐ゲル!!時ニハ自分達ノ欲ノタメニ自然ヲ破壊シ、挙ゲ句ノ果テニハ同族同士デ争イ、殺シ合ウ!!!」

「くっ……急にエネルギーが増大していく……っ!?」

先程までマリアの絶唱によって抑え込まれていた“力”が増大し、シュガーの『レーヴァテイン』とぶつかり合っているブレスの出力が上がっていく。

ズガアアアァァァーーーンッ!!

「「「「くぅぅぅ……っ!?」」」」

「人間トイウ種ガコノ世二イ続ケル限リ、日向ハ何処ニモアリハシナイ!ナラバ、深遠ナル闇ヲモッテ滅ボス!!我ハソノタメニ!ドノ種ヨリモ自然ヲ、世界ヲ愛シテイタアノ方達ノ闇カラ産マレタノダアアアァァァッ!!!」

ズガアアアァァァーーーンッ!!

「ッ……だと……!!」

「「「「だとしてもぉっ!!!」」」」

ズガアアアァァァーーーンッ!!

その瞬間、ルーミアを想うシュガー達四人の『レーヴァテイン』の出力が上がり、『何か』のブレスを相殺させた。
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