「……今の私には魔法が……そして、フェイトというもう一人の自分でもある友がいる……！！」

「翼……」

サァァァ・・・

フェイト（翼）がそう言うなか、フェイト（翼）の“ホーネットジャベリン”によって発生した土煙は晴れていく。

「………」ﾊﾟﾁｯ!!…ﾊﾟﾁ…ｯ!!

“ホーネットジャベリン”に呑み込まれたファラは右半身が吹き飛ばされた状態で岩に激突し、火花を散らしていた。

「ここまで破損してるなら戦闘はできない。」

「急いでマリア達の方に合流したいところだがッ！？」

「！？」

ズオオオォォォーーーッ！！

そんななか、近くにいたヒューマノイドノイズとクロールノイズが赤紫のスライム状になり、左半身のみになったファラに飛びつく。

ズズズ・・・ッ！！

飛びついた後、スライム状になった二体のノイズはファラの右半身の形状に変わっていく。

パキィィィンッ！！

「「！？」」

「ふぅ……」

次の瞬間、二体のノイズはファラと完全に同化し、修復・復活させる。

「なっ！？」

「ノイズと同化して修復しただと！？」

「フフフ……今の私もノイズもご主人様の一部から生み出された、謂（い）わば分身。なら、同化して修復することぐらいできて当然でしょう？」

二体のノイズと同化して修復・復活したファラを見て、困惑の声を上げるフェイト（翼）に対し、ファラは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「ッ……それもそうだな……」

『Symphogear form』

対するフェイト（翼）はそう言いながらバルディッシュをシンフォギアフォームの刀形態にして構え直す。

ドカァァァンッ！！

「「！？」」

そんななか、森の方から暴走したルーミアの攻撃による爆発音が響き渡ると同時にフェイト（翼）はルーミアから発せられる強大な闇の“力”を感じ取る。

「なんだ？今の爆発……それにこの異様な気配は……！？」

「！？」

(この感じは……まさか……！？)

「三体の闇の神龍の“力”！？一体何処から……」

フェイト（翼）はそう言いながら感応波で“力”の発生源を探り始める。

「！？まさか、この“力”を発しているのは……」

「ルーミア！？」

「フフフ……どうやら彼女の覚醒の時が近いみたいね。」

“力”の発生源がルーミアだとわかり、フェイト（翼）がそう困惑の声を上げるなか、同じように“力”を感知したファラは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「何故、彼女から創世記時代の神龍の“力”が……！？」

「ッ！！貴様、一体何を知っている！？」

「フフフ……さてね。知りたくば力づくで聞いてみたらよろしくて？」

困惑しながらもバルディッシュを突きつけながらそう尋ねるフェイト（翼）に対し、ファラははぐらかしながらソードブレイカーを構え直す。

「くっ！！急ぐぞ！フェイト！！もしかしたら、マリアが切り札を使うことになるかもしれん！！」

「うん！！」

(闇の神龍……お姉ちゃんの兄弟の“力”がルーミアに宿っているなんて……絶対に報告しないと……！！)

そうしてフェイト（翼）はファラに向かっていった。