未来からの襲撃者

「何よ、その程度なの?呆れて物が言えないわ……」

「くッ……!!」

つまらなそうにしながらそう言う闇梨沙の煉獄をルーミアは背中から生えた八本の黒炎翼の炎でなんとか対抗する。

「私はまだ20%の出力しか出していないのにこの体たらく……話にならないわね……」

「くッ……!!」

「隙あり!必殺!“爆砕エルボー”!!」

「口に出したら意味ないわよ。」

ドカァァァンッ!!

「きゃあぁぁっ!?」

「シュガー!!」

そんななか、シュガーがそう言いながら闇梨沙に“爆砕エルボー”を食らわせようとする。

が、闇梨沙はカウンターで蹴り飛ばす。

ドサッ!!

「うっ……くっ……」

「!そういえば、あの怪物にこの子が傷付けられた辺りからあなたはこの黒炎の翼を顕現させたわね。なら……この子を殺せば、あなたの更なる本気が見れるってことかしら……」

「!?」

ボオオオォォォッ!!

闇梨沙はそう言いながら煉獄で槍を作り出し、

ズドオオオォォォンッ!!

倒れ込んでいるシュガーに向けて、放つ。

「させルかァァァーーーっ!!!」

ボオオオォォォーーーッ!!

ルーミアはそう言いながら闇梨沙の煉獄を受け止めていた八翼の黒炎翼の内、一翼を闇梨沙が放った煉獄槍の方へと向かわせる。

「バカね。自分を護る炎の数を減らすなんて」

『グオオオォォォーーーッ!!』

「!?」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

闇梨沙がそう言うなか、煉獄槍の方へと向かった黒炎翼の形状が龍の首へと変わる。

ガブゥゥゥッ!!

ルーミアの背中から伸びていく黒炎龍は闇梨沙の煉獄槍にかぶり付き、

ズズズ・・・ッ!!

「!?」

その炎を取り込み、本体であるルーミアに還元していく。

「なっ!?私の煉獄を」

「うおォおォォおおおォオオぉぉオぉぉぉオオぉオオぉぉおォォぉオオォおおォォおォォぉオオぉオオぉぉオぉぉッ!!!」

『『『『『『『グオオオォォォーーーッ!!』』』』』』』

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

闇梨沙がそう言うなか、ルーミアは両瞳を紅く光らせながら、漆黒のオーラを纏いながらそう咆哮を上げ、残り七翼の黒炎翼も黒炎龍に変わり、炎の勢いも増して八本の黒炎龍の首が一気に太くなる。

「!?」

(これは……私の煉獄を取り込んで得た“力”だけじゃない!!私の身体にも馴染むようなこの感じは……)

「まさか、マークス兄さん達の」

「シュガーを……皆を消スとイウなラ……オマエが……消エろオォおォォおおおォオオォォぉオオぉオオおォォぉオオぉオオおォォぉオオぉオオおォォぉオオぉオオおォォぉッ!!!」

ズガアアアァァァーーーンッ×8!!

リサ同様、神龍 リシャーナの転生体である闇梨沙がそう言いながら僅かに動揺するなか、ルーミアの背中から生えた、ヤマタノオロチを彷彿させる八本の黒炎龍の首から漆黒の炎のブレスが放たれ、闇梨沙はそのブレスに呑み込まれた。
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