未来からの襲撃者

ズバァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

「「「「「「「!?」」」」」」」

「!?ルーミア?」

「………」

次の瞬間、シュガーを掴まえていたネフィリムの腕が斬り落とされ、シュガーはルーミアに抱き抱えられる形で救出される。

その時のルーミアの赤い瞳が妖しい輝きを放ち、雰囲気もいつもとは違う暗いものに変わっていた。

「!?」

(なに?この嫌な感じは……!?)

ズズズ・・・ッ!!

ルーミアから発せられる異様な気配にマリアがそう思うなか、斬り落とされたネフィリムの腕が赤紫のスライムのような形状に変化しながら分裂していく。

パキィィィンッ×15!!

「「「「「「「「「「「「「「「グオオオォォォーーーッ!!」」」」」」」」」」」」」」」

十五体程の人間大サイズのネフィリム分身体に変化する。

「うげっ!?斬り落とされた腕からサイズダウンして増えた!?気持ち悪っ!?」

「………」

「あ!?ルーミア!?」

「シュガーを……皆をキズ付けるのハ……」

「「「「「「「「「「「「「「「グルルル・・・ッ!!」」」」」」」」」」」」」」」

ドンッ!!

「オマエかァッ!?」

「「「「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」」」」

ドカァァァンッ!!

ルーミアはそう言いながら手前のネフィリム分身体に肉簿し、顔面を思いきりぶん殴る。

パァァァンッ!!

殴られたネフィリム分身体の頭部は真夏の砂浜に置かれた西瓜のように弾け飛ぶ。

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

「グオオオォォォーーーッ!!」

その様を見て、シュガー達が目を見開き、驚愕するなか、別のネフィリム分身体が襲いかかってくる。

「そレとも……オマエかァッ!!」

「!?」

ズバァァァンッ!!

が、ルーミアはそう言いながら回し蹴りで横に真っ二つにし、返り討ちにする。

「「「「「「「「「「「「「グオオオォォォーーーッ!!」」」」」」」」」」」」」

その直後、残りの十三体のネフィリム分身体がルーミアに飛びかかり、ルーミアの姿がネフィリム分身体達に呑み込まれる。

「!?ルーミア!!」

それを見て、シュガーはルーミアを助けようとする。

「!?危ないです!!シュガー!!」ガシッ!!

「!?」

ズガアアアァァァンッ!!

が、フランがそう言いながら止めた瞬間、闇梨沙の煉獄のような、四柱の黒い炎の火柱が噴き出し、ネフィリム分身体達を吹き飛ばしながら焼き尽くす。

「………」

「!?ルーミア!!」

四柱の黒炎柱の中心にはルーミアが無傷で立ち尽くす。

ズオオオォォォッ!!

四柱の黒炎柱はルーミアの背中に集まり、まるで二対の翼のようになる。

「なに?あの黒い炎の翼……」

「魔法?それともレアスキル……?」

「いや、ルーミアさんはどちらも使えない筈です……!!」

「じゃあ、あれは一体……」

「ルーミア……」

ズズズ・・・ッ!!

ルーミアの背中から生えた二対の黒炎翼を見て、リオ、コロナ、フラン、ヴィヴィ、シュガーの五人がそう言うなか、ネフィリムの腕が再生される。

「……次はオマエか……」

「グオオオォォォーーーッ!!」

ズガガガガガガァァァンッ!!

そんなネフィリムをルーミアがそう言いながら睨み付けるなか、ネフィリムは雄叫びを上げながらビームを放ってくる。

「ッ!!」

ボオオオォォォッ!!

対するルーミアは黒炎翼でドームを作り、ネフィリムのビームを防ぐ。

ズガアアアァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

そんななか、ネフィリムの足元からルーミアが地中に潜り込ませた黒炎翼が噴き出し、ネフィリムを上空に吹き飛ばす。

「ハァッ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

その直後、黒炎翼で飛び上がったルーミアはネフィリムを思いきり地面に殴り飛ばし、

「ハァァァッ!!」

ドカァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

ネフィリムの土手っ腹に思いきり足をめり込ませる。

「グォォォ・・・」

「………」

その後、少し呻きながら倒れ伏すネフィリムの上からルーミアが見下ろすなか、

ボオオオォォォーーーッ!!

『!?』

「ッ!?」

「グオオオォォォーーーッ!?」

何処からか、ルーミアの黒炎翼よりも強力な黒炎が放たれ、ネフィリムを焼き尽くした。
10/20ページ
スキ