未来からの襲撃者

「知ってどうする?」

「自分や仲間が狙われたんだ。相手を知りたがるのは当然だ!!」

「なるほど……人間はそういう思考をするのか……ならば、見抜いてみせろ。雷光の神龍!!」

ズオオオォォォーーーッ!!

『!?』

襲撃者がそう言った瞬間、小太刀が刺さっている地面から赤紫のスライムのような物質が噴水のように噴き出し、小太刀を引き抜く。

ズオオオォォォーーーッ!!

パキィィィンッ!!

小太刀を引き抜いた物質は襲撃者の右手に集まり、漆黒の銃身の両側にワインレッドの刃が付いた銃剣に変わる。

ヒュー・・・パシッ!!

「この“影縫い”とやら……確かに面白いが動きを封じるにはその“力”を受信する触媒を対象の影に刺しておかなければならないという制限がある……ならば、その触媒を抜いてしまえば良いこと……」

「ッ……」

「ん?」

パァァァ・・・

襲撃者が手に取った小太刀が砂のように崩れ、消滅する。

(ほう……我に武器として利用される前に投影を解除したか……)

「まぁ、良いさ。やり方は理解した……」スッ

襲撃者はそう言いながら銃剣の銃口を別荘に向けて、構える。

パァァァ・・・ズドォンッ!!

次の瞬間、銃口にバレーボールサイズの赤紫の光弾が生成され、光弾は別荘の方へと飛んでいく。

『!?』

「何をした!?」

「種を蒔いただけだ。我が猟犬、ノイズ共の種をな。」

そう尋ねる翼に対し、襲撃者は不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。

別荘・・・

「ッ!!」

『Master!!』

その頃、襲撃者の襲来を感知したマトイが立ち上がるなか、同じく感知したレイジングハートがそう警告する。

「マトイちゃん……」

「なのはさんはここで。私が迎撃します!!」

マトイはそう言いながら外に出る。

キィィィーーーッ!!

パアアアァァァッ!!

ちょうどその時、襲撃者が飛ばした光弾が飛んできて拡散し、別荘の周りに降り注ぐ。

パキィィィンッ!!

降り注いだ赤紫の光は大量のノイズへと変わる。

「ッ……ノイズとはまた厄介なものが現れましたね……トレース・オン……」

マトイはそう言いながら薙刀を投影し、構える。

「ですが、ここから先は通しません!!」

次の瞬間、マトイはそう言いながら向かってくるノイズ軍団を迎え撃った。

拓けた草原・・・

「はははははははっ!!」

「貴様あああぁぁぁっ!!」

その頃、別荘に向けて、ノイズを放った襲撃者が笑うなか、フェイトは激昂する。

「ま、待てっ!フェイトっ!!落ち着けっ!!」

「許さんっ!!抜剣!イグニッションッ!!」

パキィィィンッ!!

慌てて落ち着かせようとする自身の半身、翼を余所にフェイトはそう言いながらイグナイトモジュールを起動させる。

「ほう……『闇の力』を使うか……」

ズズズ・・・ッ!!

襲撃者はそう言いながら左掌から赤紫のスライム状の物質を放出し、ノイズとは違う人型を生成する。

「なっ!?あいつはっ!?」

「?翼。知っているの?」

「あぁ、以前、この“力”を持って倒した相手だ………」

首を傾げながらそう尋ねるフェイトにそう答えながら翼は今、襲撃者が新たに生成した人形を見る。

「オートスコアラーXMH_008……ファラ・スユーフ………!!」

「おや?この感じ、それにそのシンフォギア……顔や髪、体型は違うけどあなた、風鳴翼ね……懐かしいわ……」

襲撃者の謎の“力”で復活を遂げたオートスコアラー、ファラ・スユーフは不敵な笑みを浮かべながらそう話しかける。

「ファラ。昔話は後だ……殺れ……」

「はい。ご主人様。」

ファラはそう言いながら赤紫の風を身に纏い、フラメンコのように舞いながら大剣のような哲学兵器、『剣殺しソードブレイカー』で斬りかかってくる。

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

対するフェイトはバルディッシュで受け止める。

「さて、弱ってる方から狩るとするか……」

フェイトとファラが戦闘を始めるなか、襲撃者はそう言いながら今は気絶しているノゾミの方へと向かう。

「ッ!!」

(狙いはノゾミか!!)

「イージスゼクター!!」

キュィィィンッ!!ガチャンッ!!

「変身!!」

『Henshin』

『Change Aegis』

パキィィィンッ!!

セッテはそう思いながらノゾミの前に出て、イージスに変身した。
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