武人の国

第一特殊管理外世界、地球、希望島・・・

「佑人さん、改めて教えてください。何故、私にファイズギアの使用を禁止したんですか?」

その頃、佳奈多は希望島に渡って佑人の許を訪れていた。

今回、フェイトを通じて伝えられたファイズギアの使用禁止。

その理由を聞くためであった。

「……これはプロジェクトG4事件後の検査結果だ。これを見て、どう伝えるか悩んでいる間に今回の事件が起きた。だから、フェイトにファイズギアの使用禁止を伝えさせた。」

対する佑人はそう言いながら、検査結果が記された書類を手渡す。

「!」

佳奈多はその書類に目を通し、目を見開いて、少し息を飲む。

その表情から血の気が引いていることに気付きながらも佑人は話を続ける。

「はやても一応ファイズギアを使えるが出せる出力は最大で100%。それはファイズギア自体がおまえが使う前提で作られているからでおまえが使えば、その性能は150%まで引き出せる。が、裏を返せば、150%も引き出せば、相応の負荷がかかるということだ。バンシィゼクターはサイコフレームがある分、ファイズギアよりも負荷が少ない。だから、あの指示を出した。」

「……後、どのくらいですか?」

「おまえがNT-Dに耐えられるかはさておき、バンシィならまだ当分は戦える。だが、ファイズギアを使えるのは現状、良くて三回だ。さらにバンシィでの戦闘が多くなればその分、回数が減る。おまえの身体はそこまでガタが来ている。」

「……あなたの、判断は……」

「……はっきり言うぞ、佳奈多。おまえはもう戦うことは控えろ。これ以上、戦うということは間違いなくおまえの寿命を削ることになる……」
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