武人の国
「ーーーという訳で無論、本人達にその気があればの話なんですが、夜見ちゃん。ルーミアちゃん。結花ちゃんの三人に『機動六課』の『妖怪の国』担当班として入局してもらいたいと思ってるんですが、どうでしょうか?将軍様。聖さん。」
その頃、はやては真剣な表情で三人をスカウトしたい意思を吉宗と、今回の事件と貿易の件で来た聖にそう伝える。
「私は夜見さん達の意思を尊重したいので夜見さん達にその気があるなら問題はありません。」
「余も異論はない。それに良ければだがその話、余にも参加させてもらいたい。一国を治める者としてそなた達と今後も関わりたいのだ。」
「私も『妖怪の国』の管理者として夜見さん達共々、ご協力させてもらいたいのですが……」
「それは私達にとっても願ってもないことです。正直、『妖怪の国』だけでなくこの国にも六課の支部を置かせて頂きたいと思っておりましたので……」
「決まりだな。で、一つ、確認しておきたいことがあるのだが……」
「何でしょうか?」
「此度の件で影虎や吉良、ショッカーに利用された子ども達は一体どうするのだ?知っての通り、あの子達は皆、身寄りのない子ども達ばかりだが……」
人工オルフェノクに変えられ、更にははやてを絶対能力に進化させるのにも利用された子ども達の今後について、吉宗は真剣な表情でそう尋ねる。
「……一先ずうちにいる医療班のシャマルが検査した所、完全に元の人間に戻り、後遺症もないようです。今は子ども達一人一人から意見を聞いて、この国に残りたい子はこの国の支部に、他の国や世界を見たいという子達は『妖怪の国』支部若しくはミッドチルダの保護施設に行くことになるかと……」
「そうか……」
「それなら安心ですね。」
「あ。お二人には各々、『武人の国』支部と『妖怪の国』支部の監督役をお願いできればと思っているのですが……」
「無論、喜んで引き受けさせてもらおう。」
「私も。喜んで。」
「ありがとうございます。」
「聖!?」
「「!?」」
「!?ルーミアさん!?」
そんななか、夜見と共に返事をしに来たルーミアが偶然、入ってくる。
「ッ!!」
聖の存在に気付いたルーミアはすぐさまその場から逃げ出そうとする。
「待ってください!!ルーミアさん!!何故、逃げるのですか!?」ガシッ!!
が、聖がそう言いながらルーミアの手を掴んで引き止める。
「聖……」
「この五十年間、国の皆さんと協力してずっと探していたんですよ!なのに何故……っ!?」
「?探していた?私はあの国じゃ大罪人なんじゃ……だから、私は『幽玄卿』に追放されて……」
「?ルーミアさんこそ、何を言っているんですか?あなたは私と共に『妖怪の国』を一から築き上げた、妖怪側の創始者で私の一番最初の大切な友人です。そんなあなたを追放する訳ないじゃないですか!!」
その後、聖は五十年前のルーミアが自身が起こしたと思っていた人や妖怪に対する連続人喰い事件は連続失踪事件だったこと、その事件が起きている最中、ルーミアが謎の暴走を起こし、それを止めるためにルーミアの全妖力を霧散させたこと、暴走が止まった後、一時的に匿った本殿からルーミアが失踪してしまったこと、その直後からルーミアが失踪した人や妖怪を喰らった犯人だと言わんばかりの物的証拠や目撃証言が次々と出てきたが、逆にあからさま過ぎることから聖やルーミアをよく知る国の住民達はルーミアは犯人ではないと考え、他の行方不明者達と同様に探していたことを話した。
「そう、だったのか……今までは私の、一人相撲だったのか……」
「この五十年、国の皆さんも私もあなたのことは片時も忘れたことはありませんでした……ルーミアさん。どうか帰ってきてはくれません……」
「……わかったよ。まだ信じられないけど、聖がそう言うなら……」
「!ルーミアさん……!!」
「ただ、シュガー達の世界と行き来できるようにはしてくれ。あいつらも大切な友達なんだ。」
「はい。勿論ですとも……!!」
「よくわからないけど、良かったね。聖。ルーミア……」
「どうやらあの二人の間に長年、続いた問題が解決したようだな。」
「えぇ。そうですね……」
互いの認識の違いを改め、和解したルーミアと聖を見ながら夜見、吉宗、はやての三人は笑顔でそう言った。
その頃、はやては真剣な表情で三人をスカウトしたい意思を吉宗と、今回の事件と貿易の件で来た聖にそう伝える。
「私は夜見さん達の意思を尊重したいので夜見さん達にその気があるなら問題はありません。」
「余も異論はない。それに良ければだがその話、余にも参加させてもらいたい。一国を治める者としてそなた達と今後も関わりたいのだ。」
「私も『妖怪の国』の管理者として夜見さん達共々、ご協力させてもらいたいのですが……」
「それは私達にとっても願ってもないことです。正直、『妖怪の国』だけでなくこの国にも六課の支部を置かせて頂きたいと思っておりましたので……」
「決まりだな。で、一つ、確認しておきたいことがあるのだが……」
「何でしょうか?」
「此度の件で影虎や吉良、ショッカーに利用された子ども達は一体どうするのだ?知っての通り、あの子達は皆、身寄りのない子ども達ばかりだが……」
人工オルフェノクに変えられ、更にははやてを絶対能力に進化させるのにも利用された子ども達の今後について、吉宗は真剣な表情でそう尋ねる。
「……一先ずうちにいる医療班のシャマルが検査した所、完全に元の人間に戻り、後遺症もないようです。今は子ども達一人一人から意見を聞いて、この国に残りたい子はこの国の支部に、他の国や世界を見たいという子達は『妖怪の国』支部若しくはミッドチルダの保護施設に行くことになるかと……」
「そうか……」
「それなら安心ですね。」
「あ。お二人には各々、『武人の国』支部と『妖怪の国』支部の監督役をお願いできればと思っているのですが……」
「無論、喜んで引き受けさせてもらおう。」
「私も。喜んで。」
「ありがとうございます。」
「聖!?」
「「!?」」
「!?ルーミアさん!?」
そんななか、夜見と共に返事をしに来たルーミアが偶然、入ってくる。
「ッ!!」
聖の存在に気付いたルーミアはすぐさまその場から逃げ出そうとする。
「待ってください!!ルーミアさん!!何故、逃げるのですか!?」ガシッ!!
が、聖がそう言いながらルーミアの手を掴んで引き止める。
「聖……」
「この五十年間、国の皆さんと協力してずっと探していたんですよ!なのに何故……っ!?」
「?探していた?私はあの国じゃ大罪人なんじゃ……だから、私は『幽玄卿』に追放されて……」
「?ルーミアさんこそ、何を言っているんですか?あなたは私と共に『妖怪の国』を一から築き上げた、妖怪側の創始者で私の一番最初の大切な友人です。そんなあなたを追放する訳ないじゃないですか!!」
その後、聖は五十年前のルーミアが自身が起こしたと思っていた人や妖怪に対する連続人喰い事件は連続失踪事件だったこと、その事件が起きている最中、ルーミアが謎の暴走を起こし、それを止めるためにルーミアの全妖力を霧散させたこと、暴走が止まった後、一時的に匿った本殿からルーミアが失踪してしまったこと、その直後からルーミアが失踪した人や妖怪を喰らった犯人だと言わんばかりの物的証拠や目撃証言が次々と出てきたが、逆にあからさま過ぎることから聖やルーミアをよく知る国の住民達はルーミアは犯人ではないと考え、他の行方不明者達と同様に探していたことを話した。
「そう、だったのか……今までは私の、一人相撲だったのか……」
「この五十年、国の皆さんも私もあなたのことは片時も忘れたことはありませんでした……ルーミアさん。どうか帰ってきてはくれません……」
「……わかったよ。まだ信じられないけど、聖がそう言うなら……」
「!ルーミアさん……!!」
「ただ、シュガー達の世界と行き来できるようにはしてくれ。あいつらも大切な友達なんだ。」
「はい。勿論ですとも……!!」
「よくわからないけど、良かったね。聖。ルーミア……」
「どうやらあの二人の間に長年、続いた問題が解決したようだな。」
「えぇ。そうですね……」
互いの認識の違いを改め、和解したルーミアと聖を見ながら夜見、吉宗、はやての三人は笑顔でそう言った。