武人の国

「あ。夜見……」

「ルーミア……」

その頃、アインスから時間を貰ったルーミアは同じようにはやてから考える時間を貰った夜見と出会す。

「?何か悩み事か?」

「うん。今さっき、はやてさんから管理局に入らないかって誘われてて……」

「……夜見もか……」

「ということはルーミアも?」

「あぁ。私はアインスから誘われたけど、正直迷っている……」

「?何か迷う理由があるのか?」

「……あまり覚えてないんだが私は昔、たくさんの人に迷惑を掛けちゃってね。だから、どうしても思うんだ。こんな私に資格があるのかってね……」

「………」

「夜見はどうなんだ?」

「私は……怖いんだ。今回は無我夢中だったけど、改めて思い返すと、凄く怖くて……」

「………」

改めてジェイやシオマネキングとの戦いで内心は感じていた恐怖を思い返したのか、そう答える夜見の身体は震えていた。

「……誰だって怖いものは怖い。きっと彼女達にも恐怖心はあると思う。それでも戦うのは護りたい大切な何かがあるからじゃないか?」

「!護りたい大切な何か……」

そんななか、ルーミアにそう言われた瞬間、夜見はかつて、『Xマジンラー』が影アリスを唆して引き起こした『ジャック』による『妖怪の国』の乗っ取り未遂事件で助けることに成功した聖や影アリス達の顔が頭を過る。

「大切な何かを護るために戦う……それが彼女達の信念なのかもしれないな……」

「大切な何かを護るために戦う……」

夜見はそう言いながら今回の事件、そして、今まで関わった『Xマジンラー』絡みの事件で傷つき、涙を流していた人達のことを思い起こす。

「私は……私はもう、あんな悲しみを繰り返させたくない!!そのための手伝いができるなら私は……!!!」

「……答えを出せたみたいだね……」

「うん。これからはやてさんに返事してくる!!」

夜見はそう言いながらはやての方へと向かう。

「……私もいい加減前を向いていかないといけないかな……」

そんな夜見を見送った後、ルーミアはそう言いながら夜見の後を追った。
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