武人の国

「ーーーというのが管理局の役目だ。中でも精鋭で特殊な任務を請け負っているのが我々、『機動六課』だ。」

「その『機動六課』に私が……ですか?」

「今回の件もあって、こちらでの局員が欲しくてな……どうだろうか?」

その頃、別の廊下で時空管理局や『機動六課』について、説明したシグナムは改めてそう言いながら結花をスカウトする。

「そんな凄そうな部隊の一員に私なんかが務まるのでしょうか……」

「最初は誰しもがそう思うものだ。寧ろ、務まるように一生懸命にやれば、自ずと結果が付いてくるものだ。」

「……少し考えさせてください……」

「あぁ、よく考えると良い。自分の今後に関わることだからな。」





「『機動六課』か……」

シグナムから時間を貰った結花はそう呟きながら廊下を歩く。

「………」ジッ

結花は改めて自分の身体を確認する。

(前世マエと違って、今の私の身体は人間。“力”も戦いには向いていない……そんな私が入って、逆にお荷物にならないかな………)

クレインオルフェノクだった前世とは違い、決して戦闘向きではない自身の身体と能力を再認識して、結花は『機動六課』入りに二の足を踏んでしまう。

「……はぁ……」

「なにため息吐いてんだ?」

「あ。デュオさん……」

そんななか、偶々、近くを歩いていたデュオに出会す。

「実は先程、シグナムさんから私に『機動六課』の担当班に来ないかと誘われまして……」

「!おぉっ……」

「ですが正直、悩んでます。」

「?なんでだ?」

「……知っての通り、私のサイキックは戦闘には向いていませんし、武術だってからっきし。だから、戦いにおいては足手まといです。それに……」

「それに?」

「……信じてくれないかもしれませんが、私はオルフェノクの転生体なんです……」

結花はそう言いながら前世のことについて、話し始めた。
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