武人の国

絶対能力闇内・・・

「!?ここは……ッ!?」

脳波のネットワークと『外装代脳』の破壊、それらをコントロールしていた影虎の死によって絶対能力闇・第三形態の本体として取り込まれていたはやては再調整が解けると同時に絶対能力闇と激戦を繰り広げているデュオ達の姿を目の当たりにする。

「これってまさか、あの時と同じ」

『グオオオォォォーーーッ!!』

「!?」

その光景を見て、かつての『闇の書事件』の最終決戦がはやての頭によぎるなか、絶対能力闇は両肩の骸骨のような外骨格が飛び出すように変形し頭部状になり、それ以外の外骨格は融けるように消失、身体は肥大化し、両腕も前脚のようになり、全体的に赤黒くなっていく。

パキィィィンッ!!

『グオオオォォォーーーッ!!』

次の瞬間、絶対能力闇は頭上に巨大な紫の光の輪があり、背中から右が黒、左が白い三対の翼が生え、二又の尻尾の先はドラゴンの頭になった、瞳が金色の赤黒いカイザーギドラ・・・第四形態に進化を果たす。

「なっ!?」

「更に進化しやがった!?」

「ちっ!私の宝具を食らっておいて、更に進化するなんて……面倒な奴……いい加減私の親友を返してくれないかな……」

第四形態に進化した絶対能力闇を見て、霊夢と魔理沙がそう言うなか、槍なのはは舌打ちしながら、睨み付けながらそう言う。

(その親友をよく貫けたよな(よね)(ましたよね)………)

『グオオオォォォーーーッ!!』

『!?』

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァァァンッ!!

そんな槍なのはを見ながら、デュオとアインス、ヴォルケンリッターの四人とアギト以外の面々が密かにそう思うなか、絶対能力闇はそう雄叫びを上げながら三つ首と二又の尻尾の頭の目から紫の半重力光線、“デストロイド・カイザー”を乱射してくる。

「あかん!!こっちからなんとかしてこの化け物を抑えないと!!」

【痛いよ……】

「!?」

絶対能力闇が放つ“デストロイド・カイザー”をなんとかかわしていくデュオ達を見て、はやてがそう言いながら内部から抑え込もうとするなか、そう言う子どもの声が聞こえてくる。

【苦しいよ……】

【怖いよ……】

「この声は……」

【【【誰か、助けて!!】】】

「!?」

ズズズ・・・ッ!!

次の瞬間、たくさんの子どもの人影が現れ、はやてに纏わり付いてくる。

「くっ……」

(これは……影虎に再調整でネットワークを繋げられた子ども達の……!!)

【痛いよ……】

【苦しいよ……】

【怖いよ……】

【なんであの人達、痛いことするの?】

【酷いことするの?】

【怖いことするの?】

【【【僕(私)達は助けてほしいのに!!】】】

『グオオオォォォーーーッ!!』

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

『!?』

そう言う子ども達の強い思念に呼応するように現実で絶対能力闇がそう雄叫びを上げながら大量の氷の槍を生成し、デュオ達に放つ。

「ッ!!相棒!!」

『Yes. Valiant saber.』

「ラァッ!!」

ズバババババババババババババババァンッ!!

絶対能力闇が放ってきた大量の氷の槍に対し、デュオはビーム刃、“ヴァリアントセイバー”を放ち、撃ち落としていく。

ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

それでも大量の氷の槍がデュオ達に襲いかかってくる。

「ちっ!!」

『Formula jammer.』

パァァァ・・・

ズガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

が、デュオは持ち前のハイパージャマーにフォーミュラとヴァリアントを複合させた『フォーミュラジャマー』を展開し、氷の槍を全て無効化して防いだ。

「ッ……」

(デュオ君……)

「……大丈夫、大丈夫や。お姉ちゃん達が必ず助けてくれる。痛いのはお姉ちゃん達が頑張ってくれてる証拠や。もう少しだけ、痛いの我慢してな。」

デュオが自分達の暴走した攻撃を防いでくれる。

その事実が支えとなったはやては優しい声で子ども達の思念に語りかけ始めた。
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