武人の国

佳奈多シェリーVS佑人・・・

「はあああぁぁぁっ!!」

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

夜見にネットワークを破壊される前に影虎がネットワークを利用して向けさせた子ども達の悪意が引き金となり、デストロイモードに変わると同時にシェリーの人格に変わってしまった佳奈多が振りかざす左腕のVNのクローをアーマードのユキを装着した佑人は両手で受け止める。

「フッ!!」

その直後、佳奈多シェリーは右手でビームトンファーを使おうとする。

「ちっ!!」

ガシィィィンッ!!

が、佑人はクローを受け止めていた片手を離し、佳奈多シェリーの右腕を押さえつける。

カァァァ・・・ッ!!

両者の“力”が拮抗状態になったところでサイコフレームの共振が悪い方向に起こり始める。

「!?まずいな……この光は……!!」

「光……私と妹を救う光……誰にも奪わせはしないっ!!」

「くそっ、目を覚ませっ!!おまえの護るべき存在はもう葉留佳だけじゃない筈だ!!!」

ガキィィィンッ!!

「フッ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

そう言いながら距離を取る佑人に対し、佳奈多シェリーは左腕のVNの小型シールドに付けられていたビームガトリングから二十弾のビーム弾を放ってくる。

「ッ!!」

ズドォォォンッ!!ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

対する佑人はハイパーバズーカから拡散弾を放ち、佳奈多シェリーのビーム弾を全て撃ち落とす。

カァァァ・・・ッ!!

そんななか、共振がさらに強くなり、互いに『NT-D』が強制的に発動してしまう。

「くっ……やっぱり、互いに引っ張り合うか……!!」

『これ以上、抑えるのは厳しいかと……!!』

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

佑人とユキがそう言うなか、佳奈多シェリーはビームトンファーとVNで襲いかかってくる。

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

対する佑人はビームトンファーと実体剣、『天之尾羽張アマノオバキリ』で受け止める。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ!!」

ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

その後、佳奈多シェリーと佑人は激しい高機動戦を繰り広げる。

暫くすると、佳奈多シェリーと佑人は互いに使える武器がなくなってしまう。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

が、佳奈多シェリーは佳奈多がはやてからお守り代わりに渡されていた、待機状態のリメンズハーツを強制的に起動させて斬りかかってくる。

『!?マスター!!』

「ちっ!!」

ガキィィィンッ!!

佑人は舌打ちしながらも咄嗟にカートリッジ・ハンドガンをソードモードで投影して受け止める。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ!!」

ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

その後、佳奈多シェリーと佑人はリメンズハーツとカートリッジ・ハンドガンで激しく斬り結ぶ。

カァァァ・・・ッ!!

「「『!?』」」

そんななか、共振したのか、リメンズハーツから白銀の光が発生し始める。

「この光は……?」

カァァァ・・・ッ!!

リメンズハーツから突如として発生した白銀の光に佑人がそう言いながら距離を取るなか、白銀の光の輝きはバンシィのNT-Dから発せられる赤みがかった金色の光を抑え込むかのように強くなっていき、逆にバンシィの輝きは赤みがなくなり、弱くなっていく。

「うっ……あぁ……っ!?」

同時にリメンズハーツからはやてとの思い出が佳奈多シェリーに流れ込み、佳奈多シェリーは苦しみだしながらリメンズハーツを手放す。

『マスター!!』

「ッ!!」パシッ!!

それを見た佑人はすかさずリメンズハーツを手に取る。

「思い出せ!おまえの、大切な娘達をっ!!」ブンッ!!

佑人はそう言いながらリメンズハーツを佳奈多シェリーに投げつける。

ガァンッ!!カアアアァァァーーーッ!!

「あぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁああぁあぁぁぁああぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁああぁあぁぁぁああぁっ!!?」

リメンズハーツが佳奈多シェリーに命中した瞬間、リメンズハーツの白銀の輝きが強まると同時に激しい精神感応が発生し、佳奈多シェリーは苦痛の声を上げる。

パァァァ・・・

リメンズハーツが起こした精神感応により、佳奈多本来の人格に戻り、シェリーの人格が眠ると同時にNT-Dとバンシィへの変身が解除される。

「うっ………」

「佳奈多!!」ガシッ!!

次の瞬間、前のめりに倒れ込みながら気を失う佳奈多を佑人はすんでのところで受け止める。

「……思い出せて良かったな。佳奈多……」

受け止めた後、佑人はそう言いながら気を失った佳奈多の頭をそっと撫でてやった。
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